有史以前から食用され、約8千年前の物と見られる炭化したりんごがトルコで発掘されており、最初の栽培は新石器時代といわれています。原産地は中国天山山脈。平安時代に中国から「和りんご」と呼ばれる小粒な野生種が渡来したと記されていますが、現在栽培されているりんごは、1872年アメリカから導入され、品種改良が重ねられたものです。
成分
主成分は水分と糖質。糖質は果糖とブドウ糖がほとんど。酸味はリンゴ酸とクエン酸。カリウム、カルシウム、鉄分などのミネラル類や、ビタミンCや食物繊維のペクチンやセルロースなどを多く含んでいる。
効能
ブドウ糖は即効性のある疲労回復や健脳効果があり、リンゴ酸やクエン酸も疲労を回復し肩こりや腰痛を防止し、食欲を増進させる。ペクチンは強い抗菌作用があり、セルロースと一緒に腸内細菌の乳酸菌を増やして腸の働きを整え、便秘を解消し大腸がんを予防する。大腸がんは肝臓への転移が多いといわれており、りんごのペクチンはそれを抑える働きに優れているといわれている。また、糖質を吸収して血糖値を下げる働きもある。カリウムが体内のナトリウム過多を防ぎ高血圧を予防し、インシュリンの働きを助ける。
効果的な調理のポイント
- ペクチンは皮の部分に多く含まれているので皮ごと食べるとよい。皮を安心して食べられる有機栽培のりんごがおススメ。
- 切り口が褐変するのは、ポリフェノールの酸化によるため。食塩水やビタミンCに漬けると防ぐことができる。
レシピ
りんごと豚薄切り肉のトマト蒸し煮
りんごのクエン酸と豚肉のビタミンB1で元気が出る
所要時間:20分
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りんごの酸味のクエン酸が食欲増進に働き、豚肉のビタミンB1が糖質の分解を高めるため、りんごと豚肉は疲れが取れて元気が出る食べ合わせです。りんごの食物繊維のペクチンが血中コレステロールを低下させ、便秘予防に有効に働きます。トマトを加えて抗酸化力を高めます。
●材料(2人分)
りんご 1個(200g前後)
豚肉(薄切り肉) 200g
トマト(カットトマト缶) 100g
バター 大さじ1
塩、こしょう 各少々
●作り方
① りんごは芯を取り、4つに割り、5mm厚さに切る。
② 豚肉は食べやすい大きさに切る。
③ 鍋にバターを熱し火を止め、豚肉、りんご、トマトの順に重ね、一番上に豚肉を乗せ、塩・こしょうを振る。
④ 火にかけ、ふたをして弱火で約15分蒸し煮にする。