アジは古くから食卓にのぼっていた大衆魚です。「アジは味に通ず」と愛され、うまみ成分と脂肪分の含有量が適度なことから、青背魚でありながらクセの少ないのが特徴です。暖流に乗って回遊する魚で、世界の暖流域に広く分布しています。種類は50種類と多いのですが、通常アジというと真アジをさします。真アジの産卵期は秋なので、産卵期前のものが脂が乗って美味です。
成分
たんぱく質は良質でアミノ酸スコアは100。ナイアシン、カリウム、タウリンを含有し、脂肪部分は不飽和脂肪酸のDHA、EPAが豊富。カルシウムを多く含有している。
効能
血中コレステロールを下げて血栓をできにくくするEPAと、過酸化脂質をできにくくするビタミンB2の働きで、動脈硬化が予防され、心筋梗塞や脳梗塞の予防に効果がある。DHAは学習能力を高め脳の活性化を促すので健脳効果が高い。カルシウムが骨や歯を丈夫にし、体の動きをスムーズにする。EPAは肩こりや目の充血などにも有効。
効果的な調理のポイント
- 焼きすぎるとEPAやDHAが落ちてしまうので、焼き過ぎに注意。
- 調理する時は、尾ひれの付け根部分にある固いうろこの「ぜいご」を削ぎ落とす。
- EPAは新鮮なものほど効果が高い。しょうが、にんにく、わさびなどの抗酸化作用の高いものと一緒に取ると効果が倍増する。
- 小アジは南蛮漬けかマリネにすると骨まで食べられ、カルシウムを無駄なく補給できる。
- 骨はしょうが醤油に漬けてから揚げるとよい。ビタミンB2を多く取れる。
レシピ
アジとオリーブのトマト煮
アジのEPAが血栓を予防する
所要時間:35分
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アジは不飽和脂肪酸のEPAを豊富に含んでいる青魚です。EPAは血中コレステロールを下げて血栓予防に働き、トマトやにんにくの抗酸化力と一緒に脳梗塞予防に働きます。オリーブとオリーブ油をプラスして血中の悪玉コレステロール(LDL)を低下させ、動脈硬化予防効果を高めます。
●材料(2人分)
アジ 2尾
オリーブ 6粒
トマト(中) 1個
じゃがいも(中) 1個
玉ねぎ 1/2個
にんにく 1片
オリーブ油 小さじ4
A 水 400CC
固形スープのもと 1個
白ワイン 大さじ2
ローリエ 1枚
塩、こしょう 各適量
●作り方
① アジは三枚におろして腹骨をすき取り、塩・こしょうを振り、10分置く。
② 玉ねぎとにんにくはみじん切りにする。
③ トマトとじゃがいもは5~6mm角に切る。
④ フライパンにオリーブ油小さじ2を熱し、アジを入れ、両面をこんがり焼き、取り出す。
⑤ ④にオリーブ油小さじ2を加え、玉ねぎとにんにくを入れ、弱火で5~6分炒める。
⑥ ⑤にトマト、じゃがいも、Aを入れ、弱火で7~8分煮る。
⑦ ⑥にアジとオリーブ(半分に切ってもよい)を加え、フタをして弱火でさらに5分煮る。