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イワシ(鰯) 旬:9~10月(真イワシ) ※旬は地方によって違うので一年中取れる

「イワシは海のにんじん」という諺があるように、豊富な栄養成分を含んでいるイワシは、『源氏物語』で有名な紫式部の大好物で歌にも詠まれています。海面近くを群れで泳ぐ回遊魚で、かつては漁獲量の多い庶民の魚でしたが、近年は漁獲量が減少傾向です。通常イワシというと「真イワシ」を指し、ビタミンA効力の高いウルメイワシは干物にされます。漢字で「鰯(魚へんに弱い)」と書くのは、水揚げ後にすぐに死んでしまい鮮度が落ちてしまうことから、このような漢字で書かれるようになったといわれています。

成分

脂質を多く含む。脂質は良質のEPA、DHAで、特にEPAが多い。たんぱく質も良質で、カルシウムや鉄などのミネラル類や、ビタミンA、D、B2、E、ナイアシンなどの、ビタミン類を含んでいる。

効能

EPAは血中コレステロールを下げ、血液をサラサラにするので、動脈硬化や脳血栓、心筋梗塞に有効。DHAは脳の働きを高めて学習能力を向上させ、老化防止に効果があり、アレルギー症状の緩和にも働く。カルシウムとビタミンDの働きでカルシウム吸収が高まり骨粗鬆症や精神安定に有効。良質なたんぱく質はアミノ酸バランスがよく、体の機能を高める。ビタミンB2は脂肪の代謝を促進し、口角炎や眼膜炎予防に働く。

効果的な調理のポイント

  • 身はやわらかく小骨が多いので、手で開くとよい。
  • 臭いが気になる時はしょうがや梅干しと一緒に煮るとよい。
  • 酢や梅干しで煮ると、骨までやわらかくなり、豊富なカルシウムを無駄なく取り入れることができる。

レシピ
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イワシと豆腐の煮物
イワシのEPAが血中コレステロールを低下させる
所要時間:25~30分
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イワシは血流をよくする多価不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)を豊富に含んでいる青魚です。血中コレステロールを低下させる働きにも優れ、豆腐(マグネシウム)・にんじん(カリウム)・えのきだけ(食物繊維)と食べ合わせると、高血圧の予防に優れた働きを発揮します。しょうがを加えて、イワシの臭みを消し、脂肪の酸化を防ぎます。

●材料(2人分)
イワシ 2尾
豆腐 1/4丁
にんじん 20g
えのきだけ 30g
しょうが 1片
A 酒 大さじ1
  しょうゆ 大さじ1

●作り方

① イワシは頭と内臓を取り、よく洗う。
② しょうがは薄切りにする。
③ にんじんは5mm厚さの短冊切りにする。
④ 豆腐はやっこに切る。
⑤ えのきだけは根元を取り、ほぐす。
⑥ 鍋にイワシを並べ(器に盛り付ける時に上になる面を下にする)、しょうがとにんじんを入れ、水2カップ(分量外)を加えて火にかける。
⑦ 煮え立ったらAを加えて弱火にし、落としぶたをして約10分コトコト煮る。イワシを静かに返し、さらに弱火で10分煮る。
⑧ ⑥に豆腐とえのきだけを加え、ひと煮させる。