江戸時代に「サンマが出るとあんまが引っ込む」といわれた栄養価に優れた大衆魚です。秋に産卵のために寒流に乗ってやってくるものが、たんぱく質も脂質も豊富で、特に10月のサンマは脂質を一番豊富に含んでいます。デリケートな魚で驚くと仲間同士でぶつかり合ったり、海面上に飛び上がったりします。細い姿から「狭真名」が転じてサンマと呼ばれるようになったといわれています。
成分
EPAとDHAの脂質が豊富。ビタミンDやビタミンB12が他の魚よりも多い。カルシウムやタウリン、カリウムも含まれている。
効能
DHAは健脳効果が高く、EPAは血液をサラサラにし血栓を予防する効果がある。B12は悪性貧血に有効。ビタミンDがカルシウム吸収を高めるので骨粗鬆症や精神安定に効果がある。タウリンは血液中のコレステロールを低下させ、カリウムと一緒に血圧を正常に保つ。
効果的な調理のポイント
- 栄養素は脂質に多く含まれているので、焼き過ぎないように注意。煮物や炊き込みごはんにすると栄養素を無駄なく取り入れることができる。
- 豊富な脂質の酸化を防ぐために、ビタミンEを一緒に取るとよい。
- 塩焼きには大根おろしを添えるとよい。大根に含まれるアミラーゼが焼き魚のコゲの部分に含まれる発ガン物質トリプーP1を分解してくれる。
レシピ
サンマのカレー煮
脳梗塞を予防し、夏バテにもおススメ
所要時間:25分
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サンマに含まれるEPAは、コレステロールや中性脂肪を減らし、血液の凝固を防いで血栓を予防する働きに優れているため、脳梗塞予防に有効な魚です。トマト、カレー粉、にんにく、しょうがなどの抗酸化力作用がプラスされ、脳梗塞予防効果がさらに高まります。食欲増進効果も高く、夏バテ気味の時におススメです。
●材料(2人分)
サンマ 1尾
トマト 1/2個
玉ねぎ 1/2個
カレー粉 小さじ2/3
スープ 1/2カップ
A 小麦粉 大さじ1
カレー粉 小さじ1
B オリーブ油 大さじ1/2
にんにくのみじん切り 小さじ1/2
しょうがのみじん切り 小さじ1/2
ハーブ(好みで)
●作り方
① サンマは頭と内臓を取り、三枚におろし、腹骨をすき取り、4等分に切る。
② サンマにAをまぶし、熱したオリーブ油(分量外)で両面を色よく焼く。
③ トマトは1cm角に切る。
④ 玉ねぎは細切りにする。
⑤ 鍋にBを入れて弱火で炒め、香りが出たらカレー粉を加えて炒める。
⑥ ⑤にトマト、玉ねぎを入れて炒め、玉ねぎがしんなりしたらスープを加えて煮る。
⑦ 煮立ったら中火にし、半量になるまで4~5分煮詰める。
⑧ ⑦にサンマを入れ、さっと煮る。
⑨ 器に盛り、ハーブを飾る。