北海道のアイヌの人々は鮭のことを「カムイ・チップ(神の魚)」と呼び、神からの恵みと考え、もっとも神聖な魚として崇めていました。名の由来もアイヌ語の「シャケンべ(夏の食べ物)」が転じたといわれています。川で生まれて一度海に降り、数年後に産卵のため北の方から生まれた川に戻ってきます。かつてはお歳暮の代表格として冬場に登場する高級魚でしたが、食生活の洋風化やノルウェー、チリなどからの輸入物が増えたこともあり、今ではもっとも調理しやすい魚としておべんとうや朝食などで大活躍。鮭の卵からは「スジコ」や「イクラ」が作られます。
成分
ピンクの色は筋肉中に含まれるアスタキサンチンというカロテノイド系の色素。ビタミンDが豊富。B1、B2、ナイアシン、不飽和脂肪酸のEPA、DHAを含む。
効能
ビタミンDはカルシウム吸収を高めるので、骨を強化し骨粗鬆症を予防する。ビタミンB群は成長を促し消化を助ける。DHAが脳細胞を活性化し健脳効果を高め、EPAは血栓を予防する。アスタキサンチンは体内に吸収されるとビタミンA効果を発し、目に栄養を与え皮膚や粘膜を丈夫にする。同時に、強力な抗酸化力があり活性酸素を除去する働きに優れている。
効果的な調理のポイント
- 熱を加えすぎるとパサパサになり味が落ちるので、火加減に注意する。
- ビタミンDが豊富なので、カルシウムの多い食材と一緒に取ると、カルシウム吸収が高まる。
- 寄生虫の恐れがあるので生食は避ける。酢やアルコールで調理したり、冷凍したりすれば大丈夫。
- 皮の部分にはB2が多く含まれているので、皮も食べるとよい。
レシピ
りんごと鮭のチーズグラタン
りんごと鮭で血栓を予防する
所要時間:25分
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りんごと鮭は、血中コレステロールを低下させ、血栓予防に働く食べ合わせです。腸内の働きも高まり、牛乳や粉チーズがプラスされることで、体力が増強されます。全身が温まり疲れを癒す効果に優れたグラタンです。
●材料(2人分)
りんご 1個(200g前後)
鮭(生鮭) 150g
オリーブ油 大さじ
A ホワイトソース(顆粒) 25g
牛乳 250CC
粉チーズ 適量
●作り方
① りんごは芯を取り、1cm厚さに切る。
② 鮭は食べやすい大きさに切る。
③ フライパンにオリーブ油を熱し、りんごを両面焼く。焼けたら耐熱皿に敷き詰める。
④ ③のフライパンに鮭を入れ、両面をこんがり焼き、塩・こしょうを振る。
⑤ 鍋にAを入れ、弱火でよく混ぜ、ソースを作る。
⑥ ③のりんごの上に鮭を乗せ、ソースを流し入れ、粉チーズを振る。
⑦ 180℃に熱したオーブンに入れ、約15~16分焼く。