日本全土の沿岸に広く分布し、スズキやボラとともに出世魚といわれ、成長に伴い名が変わる回遊魚です。晩秋から春にかけて北海道から南下してくるものは「寒ブリ」と呼ばれ、産卵に備えてよく太り脂ものって美味。養殖した4kg前後のものはハマチと呼ばれ、天然ものに比べて脂が多く白っぽい色をしています。栄養価は天然ものの方が豊富です。
成分
良質なたんぱく質と脂質を含んでいる。脂質は不飽和脂肪酸のDHAやEPAで豊富に含有している。ビタミンA、E、B1、B2、B12を多く含んでいる。鉄分やナイアシンも含み、血合いの部分にはビタミンやミネラルが多く、タウリンも豊富に含有されている。
効能
DHAが学習能力や記憶力を向上させ、EPAが血液の流れをスムーズにする。ビタミンEは不飽和脂肪酸の酸化を防ぎ、動脈硬化や老化を防止する。ビタミンAは目に栄養を与え粘膜や皮膚を丈夫にするので、目の疲れを取り、風邪を予防し肌荒れを防ぐ。B2はDHAやEPAの働きと一緒に動脈硬化を防ぎ、血栓の発生を抑える。鉄分は体内での吸収に優れたヘム鉄で、ビタミンB12と一緒に悪性貧血を予防する。タウリンがコレステロールの代謝促進や肝臓強化に優れた効果を発揮する。
効果的な調理のポイント
- 脂質が多く焦げやすいので、遠火の近火で焼くとよい。
- 鍋で焼く時は、油を少なめにする。
- 血合いの部分には吸収のよい鉄分が豊富に含まれているので、積極的に取るとよい。
レシピ
ブリの梅おかか焼き
健脳効果が高く、疲労を回復する
所要時間:15~20分
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ブリのビタミンB1と梅干しの有機酸が、胃腸を整え疲労を回復します。ブリのDHAは学習能力の向上に優れ、健脳効果の高いかつおぶしと一緒に物忘れを防ぎ、記憶力を高めます。にんにくの芽にはカロテンが豊富なので油で炒めると吸収率が高まり効果的です。ごまが含有するビタミンB群も、脳の働きを高めて疲れを取り去るのに有効に働きます。
●材料(2人分)
ブリ(切り身) 2切れ
にんにくの芽 10本
梅干し 2個
A かつおぶし 5g
すりごま(白と黒) 各小さじ1
しょうゆ 少々
油 適量
●作り方
① ブリは一口大のそぎ切りにする。
② にんにくの芽は4cm長さの斜め切りにする。
③ 梅干しはタネを取り、身を細かく刻み、Aを加えてよく混ぜ合わせる。
④ ブリの片面に③を塗り付ける。
⑤ フライパンに油を熱し、④のブリの具を付けた面を下にして入れ、両面をこんがり焼き、器に並べる。
⑥ ⑤のフライパンに油を足し、②を入れてさっと炒める。
⑦ ⑤のブリの上に⑥を乗せる。