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アサリ(浅蜊) 旬:12~3月

日本各地の淡水の混じる河口や砂泥質の浅海に生息しています。昔から滋養によいとされ、シジミやハマグリと一緒に好まれ食されてきた貝です。春と秋の2回産卵し、冬から春が旬です。夏場のアサリは産卵期に入り、生殖巣に毒を持つことがあるので注意。ビタミンB1を破壊する酵素のアノイリナーゼを含んでいますが、加熱で失われるので生食をしなければ心配ありません。
成分

脂質が少なく、たんぱく質は良質で、アミノ酸の一種であるタウリンを含む。鉄分やカルシウム、亜鉛などのミネラル類を含み、うまみ成分はグリシンやグルタミン酸、コハク酸。ビタミンB2やB12を含有している。

効能

鉄は貧血を予防し、B12は増血作用があるので貧血予防の効果が高い。B12不足は悪性貧血の原因となるので注意。タウリンは血液中の余分なコレステロールを排出して血液をきれいにし、中性脂肪を減らすので、動脈硬化の予防に役立つ。また肝臓の強化も期待できる。うまみ成分はエネルギー源となり、亜鉛が味覚障害や強精に有効に働く。

効果的な調理のポイント

  • 水から火にかけ、沸騰して貝の口が全開にする前に火を止める。貝類は煮すぎると身がかたくなるので、グラグラ煮すぎないようにする。
  • 砂抜きをする塩分の濃度は、1リットルの水に対して20g前後の塩にするとよい。濃度がアサリの生息する海水に近いため、約30分~1時間で体内の砂を吐き出す。
  • 砂抜きは常温の暗所が効果的。ザル付きボウルを使うと、吐いた砂を吸い込むのを防ぐことができる。また水が飛ぶのでフタをするとよい。
  • 調理する前に、殻同士をこすりあわせて、汚れやヌメリを落とす。
  • 造血作用のあるビタミンB12は水溶性なので、汁ごと食べられる料理がよい。
  • 冷凍でも保存ができる。

レシピ
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アサリときゅうりの海苔酢
海苔の水溶性食物繊維が血圧降下に働く
所要時間:30分
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海苔はビタミン・ミネラル・食物繊維などを豊富に含んでいます。特に水溶性の食物繊維はナトリウムが腸から吸収されるのを防ぐと同時にカリウム放出にも働き、カリウムやカルシウムの働きと一緒に、血圧降下に有効に働きます。アサリのタウリン、きゅうりのカリウム、酢のアルギニンが高血圧予防をさらに高めます。

●材料(2人分)
アサリ(むき身) 20g
きゅうり 1/2本
板海苔(全型) 2と1/3枚
A 酢 大さじ1
  だし汁 大さじ1
  しょうゆ 小さじ1

●作り方

① 板海苔はぬるま湯に浸けて戻し、ざるに取り、自然に水気をきる。
② ボウルに海苔とAを入れ、よく混ぜて海苔酢を作る。
③ きゅうりは小口に切り、塩少々を振ってしんなりさせ、水気を絞る。
④ きゅうりとアサリをよく混ぜ、器に盛り、海苔酢をかける。