シジミ(蜆) 旬:7~8月(土用シジミ) 12~3月(寒シジミ)
シジミは大別すると真シジミ、瀬田シジミ、大和シジミに分けられます。真シジミと瀬田シジミは冬が旬で「寒シジミ」と呼ばれ、夏が旬の大和シジミは「土用シジミ」と呼ばれています。「土用シジミは腹薬」と言われるように夏のシジミは胃腸を整え、夏バテに防止に用いられていました。「しじみよー、しじみよー」との掛け声のシジミ売りは江戸の町の風物詩でもありました。
成分
カルシウム、鉄、ビタミンB2、B12が豊富に含まれている。必須アミノ酸の一種であるメチオニン、タウリンも含まれている。肉にはアラニン、コハク酸が含まれ、独特のうまみと香味がある。
効能
豊富なカルシウムが骨や歯を強化。メチオニンが肝臓の働きを助け、タウリンが胆汁の排泄を促して肝臓の解毒作用を活発にする。それに肝機能を高めるビタミンB12の働きがプラスされ、肝臓病に優れた効果がある。鉄分は赤血球を形成・再生し、ビタミンB2、B12と一緒に貧血予防に効果がある。
効果的な調理のポイント
- 味噌と合わせると肝臓機能が高められるので、みそ汁にするとよい。
- 加熱しすぎると風味が失われるので、口が開いたらすぐに火を止める。
- 入手したらその日の内に砂抜きをし、できるだけ早く食べるとよい。冷蔵庫に数時間入れておくと、うまみ成分が増える。
- 冷凍しても味が落ちない。逆に冷凍した時の方が汁にした時に溶け出すうまみ成分が増える(冷凍保存期間は6カ月)。
レシピ
シジミの炊き込みごはん
シジミのメチオニンやタウリンは肝臓病に有効、貧血予防にも効果を発揮
所要時間:15分(ごはんを炊く時間は除く)
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シジミに含まれる必須アミノ酸の一種であるメチオニンやタウリンが肝臓病に優れた効果を発揮します。鉄分も豊富なので、貧血気味の方にもおススメです。シジミの独特のうまみや香味を味わうために、調味料は控えめに。シジミは加熱すると身が固くなるので、炊き上がったごはんに混ぜていただきます。
●材料(2人分)
米 1.5カップ
シジミ(殻付き) 250g
シジミの煮汁 2カップ
にんじん 20g
A 薄口醤油 大さじ1杯
塩 少々
みりん 大さじ1/2杯
酒 大さじ1/2杯
黒ごま、クルミ(ともに粗く刻む) 各適量
●作り方
① シジミは塩水に漬けてよく砂出しをし、ていねいにこすり洗いをする。
② シジミを沸騰した湯に入れて加熱し、殻が開いたら火を止め、シジミを取り出す。※冷凍シジミの場合は水から入れて加熱する。
③ シジミの身を殻からはずす。汁はこして冷ましておく。
④ にんじんは粗いみじん切りにする。
⑤ 炊飯器に研いだ米を入れ、にんじん、A、シジミの煮汁2カップを入れ、普通に炊く。
⑥ 炊き上がったらシジミの身を入れ、さっくり混ぜて蒸らす。
⑦ 器に盛り、好みでごまやクルミを飾る。