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ホタテ貝(帆立貝) 旬:11~3月

舟の帆に似た貝殻が、殻を立てて海面を移動するという俗信からこの名がついたといわれていますが、実は口を開閉させて一度に数メートルも移動するつわものです。キリスト教では聖大ヤコブの象徴として扱われています。青森から北海道にかけての波の静かな寒海に住み、特有の香りとあま味を持っています。干したものは「干貝(カンペイ)」と呼ばれ、アワビ、イリコ、フカヒレとともに中華料理の「四大珍味」と呼ばれています。

成分

たんぱく質が豊富で脂肪は少ない。遊離アミノ酸のタウリンが多い。ビタミンEやビタミンB2、B12を含有。鉄分や亜鉛などのミネラル類を多く含む。うまみ成分はグルタミン酸やイノシン酸。

効能

高たんぱくで低脂肪、さらに脂肪を代謝するビタミンB2の働きでダイエットに向く。タウリンはコレステロールを低下させ血圧を正常にする働きがあるので、高血圧や動脈硬化の予防に効く。また眼精疲労を取り除く。ビタミンEも過酸化脂質の生成を防ぐので、動脈硬化予防を強化する。鉄分が増血に働き、ビタミンB12が悪性貧血を予防する。亜鉛が味覚や臭覚の機能を正常に保つ。グルタミン酸が脳の働きを高める。

効果的な調理のポイント

  • 加熱しすぎるとかたくなるので注意する。
  • 殻から身を外す時は、平らな方を上にして隙間からナイフを差し込み、上の殻についている貝柱を殻に沿って切るとよい。
  • 腸内に毒を持つことがあるので、殻付きの物は貝柱とヒモ以外は食べないようにする。
  • ヒモからはよい汁が取れるので、ソースのベースなどに利用するとよい。

レシピ
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ホタテ貝柱のれんこん蒸し

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高たんぱくで低カロリー、ビタミンB2を含んでいるホタテ貝柱は、栄養成分を損なうことなく健康にダイエットできる食品です。食物繊維が豊富なれんこん・しめじ・銀杏などと一緒に取ることで、肥満のみならず、生活習慣病の予防にも優れた食べ合わせになります。溶け出たタウリンが無駄なく取り入れられるため、目の網膜に働いて眼精疲労を取り除いてくれます。

●材料(2人分)
ホタテ貝柱……4個(80g)
しめじ……30g
にんじん……5㎜の型ぬき2枚
銀杏……6粒
れんこん(大)……1/4節(200g)
A だし汁…1カップ
  砂糖…小さじ2強
  しょうゆ…小さじ1
  塩…小さじ1/4
B 卵白…1個分
  塩…小さじ1/6
片栗粉……適量
おろししょうが、青菜(茹でたせりや三つ葉など)……各適量

●作り方

① ホタテ貝柱は斜めに切り、2等分にする。
② しめじは石づきを取り、ほぐす。
③ 鍋にA、しめじ、にんじんを入れ、沸騰したら中火で8~9分煮る。残った煮汁は後で餡を作るので取っておく。
④ れんこんは皮をむいて酢水に浸け、おろし金ですりおろし、自然に水気をきる。
⑤ れんこんにBを加え、混ぜ合わせる。
⑥ 器にホタテ貝柱、しめじ、にんじん、銀杏を入れ、上から⑤をかける。
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⑦ 蒸気の立った蒸し器に⑥を入れ、強火で約15分蒸す。
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⑧③の煮汁に片栗粉でトロミをつけて餡を作る。
⑨蒸しあがったれんこん蒸しに⑧の餡をかけ、おろししょうがの天盛りと青菜を飾る。
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