褐藻類。四方を海に囲まれた日本は古来よりさまざまな海藻を食しています。国土にカルシウムが少ないため、保存の効く海藻類からカルシウムを摂取していたのでしょう。縄文・弥生時代の河洞遺跡(高知県)から、ヒジキらしい海藻が付着した土器片が発掘されています。北海道南部から九州までの外海に面した岩礁に分布し、早春から旬を迎えます。
成分
カルシウム、鉄、食物繊維が豊富に含まれ、特にカルシウムの含有量が高い。カリウムやマグネシウムのミネラルも含まれ、必須微量元素のヨウ素やマンガンを含有している。
効能
カルシウムが骨や歯を丈夫にし、イライラを鎮め精神を安定させる。マンガンはカルシウム吸収を助ける働きがある。カリウムが体内の余分な塩分を排出し、食物繊維が血中コレステロール値を下げるので、高血圧や動脈硬化の予防に有効。鉄分が貧血予防に働く。
効果的な調理のポイント
- 水がきれいになるまで何度も洗う。ヒジキの種類によって戻す時間は若干異なるので、表示に従って戻す。
- ヒジキの鉄分は吸収がよくないがビタミンCと一緒になると吸収がよくなるので、野菜と一緒に取るとよい。
- ヒジキの食物繊維は腸内でビタミンB群合成を助ける働きがあり、たんぱく質と結びつくと合成力が高まるので、油揚げと炒めたり、大豆や魚・肉と合わせて煮ると効果的。
レシピ
ヒジキと牛肉の煮付け
腸内でのビタミンB群合成が高まる
所要時間:20~25分
——————-
ひじきは食物センイやカルシウム、鉄分を豊富に含んでいます。食物センイは腸内でビタミンB群合成を助ける働きがあります。その効果はたんぱく質がプラスされるとさらに高まるので、牛肉の動物性たんぱく質と大豆の植物性たんぱく質を一緒に取り、B群合成力を高めます。ひじきにはカルシウム吸収を高めるマンガンが含有されており、カルシウム吸収率に優れています。
●材料(2人分)
ひじき(生)……100g
牛肉(こま肉)……100g
大豆(煮たもの)……1/2カップ
油……大さじ1/2
A だし汁…1/2カップ
しょうゆ…大さじ1と1/2
砂糖、酒…各大さじ1
●作り方
① ひじきは水洗いし、ザルに上げて水気をきる。
② 鍋に油を熱し、牛肉を炒める。肉の色が変わったら、ひじきと大豆を入れて炒める。
③ 油が全体になじんだら、Aを加え、汁気がなくなるまで中火で煮る。