04-08-04_00
ワカメ(若芽) 旬:2~6月

「若女」や「若芽」からその名で呼ばれるようになったといわれるくらい、若返りの妙薬として重宝されてきた海藻です。1万年前の貝塚からも出土され、古くから食用されていたことが伺えます。701年に制定された「大宝律令」(日本初の税制)に「海藻(ニギメ)」の名称で記されており、「万葉集」でも山部赤人が海藻を称える歌を詠んでいます。韓国では出産後の女性が食べる食品とされ、ワカメで作るスープは誕生日の定番食となっています。

成分

必須微量元素のヨウ素を豊富に含んでいる。カルシウムやカリウム、マグネシウムが多い。カロテンも含まれている。特有のヌメリは食物繊維のアルギン酸。

効能

ヨウ素は体内の代謝を活発にし、心身を元気にする。カリウムがナトリウムを排出し、アルギン酸も小腸でナトリウムと結合して余分なナトリウムを排出するので高血圧の予防効果が高い。アルギン酸は胃から小腸への食べ物の移動を遅くするので、急激な血糖値の上昇を防ぐ。

効果的な調理のポイント

  • カリウムやアルギン酸は余分な塩分を体外に排出する働きがあるので、みそ汁の具にするとよい。
  • ヨウ素は油と一緒に取ると吸収率があがるので、みそ汁や酢の物などに油を数滴たらすとよい。
  • 干しワカメは水で戻した後、熱湯をかけて水にさらすと色が冴え渡り、歯ざわりもよい。
  • 干しワカメは戻す時に水に浸けすぎないようにする。

レシピ
04-08-04_01
ミヨックク
糖尿病の予防と改善に有効
所要時間:30分
——————-
ミヨッククのミヨッ(ミヨク)は「ワカメ」で、ククは「スープ」。ワカメを煮込んだ韓国のスープで、その優れた栄養価から出産後に女性が食べる料理とされ、また母親に感謝する意味から誕生日の定番食ともなっています。ワカメ特有のヌメリ成分は食物繊維のアルギン酸で、体内の余分なナトリウムや腸内の余分なコレステロールを排出し、高血圧や脂質異常の予防に有効に働きます。栄養価の高い牛肉と強壮作用の高いにんにくをプラスすることで、胃腸を強化します。

●材料(2人分)
ワカメ(乾)……5g ※生ワカメなら50g
牛薄切り肉……50g
ごま油……大さじ1/2
水……3カップ
薄口しょうゆ……大さじ1/2
塩……小さじ1/2
おろしにんに……大さじ1/2
A 薄口しょうゆ……小さじ1
  ねぎのみじん切り……大さじ1/2
  おろしにんにく……小さじ1
  ごま油……小さじ1/2
ローリエ……1枚
塩、こしょう……各適量

●作り方

① ワカメはたっぷりの水に所定の時間浸け、戻す。
② ワカメを、手の平でもむようにしてよく洗い、水気をきり、食べやすい大きさに切る。
③ 牛肉は一口大に切り、Aで下味をつける。
④ 鍋にごま油を入れ、牛肉を炒める。牛肉に火が通ったら、ワカメを加えて炒め、鮮やかな緑色になったら、水3カップを注ぎ入れる。
⑤ アクを取りながら約20分中火で煮込み、薄口しょうゆと塩で味を調える。
⑥ 最後におろしにんにくを加えて2~3分煮、好みでこしょうを振る。