ヨーグルト

ヨーグルトは牛、水牛、山羊などの乳でつくられる発酵乳です。古くからバルカン半島では重要な食物とされており、トルコ語の「ヨウルト(yogurt)=攪拌する」が名の由来です。19世紀末、ロシアのイリヤ・メチニコフ博士がヨーグルトを多食するブルガリアの特定地域に長寿者の多いことを発表したことから、その効能が世界中に広がりました。日本での普及は戦後です。

成分

牛乳に匹敵する栄養価を持ち、カルシウムは牛乳よりも多く含まれている。乳酸菌(ブルガリア菌・アシドフィラス菌・サーモフィラス菌・ビフィズス菌など)を含有。ビタミンAやB2、カルシウムを豊富に含んでいる。

効能

乳酸菌は腸内のビフィズス菌などの善玉菌を増やし悪玉菌を減らす働きを持ち、腸の働きを高める。ビフィズス菌には整腸作用もあるので便秘や下痢の予防に有効で、がんを予防し老化防止にも働く。血中コレステロールを減らす働きもあり、ビタミンB2と一緒に生活習慣病の予防も期待できる。カルシウムはたんぱく質や乳酸と結びついて吸収されやすくなっており、骨粗鬆症の予防や精神安定に効果が高い。ビタミンAが皮膚や粘膜を強化し風邪を予防する。たんぱく質は乳酸菌によって消化吸収されやすくなっているため、乳幼児やお年寄り、病中の人に向いている。また、乳糖アレルギーで牛乳がダメな人でも、ヨーグルトが発酵している間に乳糖が分解されるので、お腹を壊しにくい利点がある。

効果的な調理のポイント

  • カレーに入れると味がまろやかになり、コクが出る。肉もやわらかくなる。
  • ヨーグルトにはビタミンCが含まれていないので、フルーツなどをプラスして補うとよい。また、ドライフルーツなどで食物繊維をプラスするとよい。
  • 糖分が気になる場合は無糖のものを選ぶとよい。

レシピ
06-02-02_01
ザジキ
便秘や下痢に有効で、免疫力も高める
所要時間:10分(冷蔵庫で冷やす時間は除く)
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ザジキはヨーグルトときゅうりで作る、ギリシャ料理でもっともポピュラーなディップです。ヨーグルトのビフィズス菌は常食することで便秘や下痢に有効に働き、体の免疫機能を高める働きにも優れています。きゅうりの水分は絞らずにふき取ると、シャキシャキ感が楽しめます。パンに付けたり、肉・魚・野菜料理の付け合わせにもおススメです。

●材料(2~3人分)
ヨーグルト……200g
きゅうり……1/2本(60g)
にんにく……1/2片
ワインビネガー……小さじ1/2
塩、こしょう……各少々
オリーブ油……大さじ1
トーストしたフランスパン……適量

●作り方

① ヨーグルトは軽く水分を取る。
② きゅうりは小さめの角切りにし、塩少々を振り、汁気が出たらキッチンペーパーなどで水分を取る。
③ にんにくはすりおろす。
④ ボウルにヨーグルト、きゅうり、にんにく、ワインビネガー、塩、こしょうを入れて混ぜ合わせる。冷蔵庫で寝かし冷やす。
⑤ いただく直前にオリーブ油を加え、パンを添える。