粟(あわ)
東南アジアを原産地とするイネ科の植物で、有史以前から栽培されていた穀物です。日本では稲の伝来よりも早く、縄文時代から栽培されていたといわれています。生育期間が3~5カ月と短いため救済作物としても用いられ、温暖な乾燥した土地で栽培できる穀物です。黄色の種子を食用とし、うるち種ともち種があり、食味はもち種の方が優れています。
成分
マグネシウムや鉄分を豊富に含んでいる。カルシウム、カリウム、亜鉛などのミネラル類も多い。ビタミンではビタミンB1が多く、食物繊維も含有している。
効能
マグネシウムやカリウムが精神を安定させ、腎臓の働きを高める。鉄分が貧血を改善し、食物センイが腸の働きを活発にして便秘を予防する。ビタミンB1が疲労を回復する。マグネシウムの働きで不眠症の改善も期待できる。
効果的な調理のポイント
- 5~6回研ぎ洗いしてから、一晩、水に漬け、もう一度研いでから炊くとよい。
- 炊いた後は20分くらい必ず蒸す。
レシピ
さといものもち粟あんかけ
消化吸収が高まり、食欲増進に働く
所要時間:25分
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粟は食物繊維・カルシウム・マグネシウム・鉄などのミネラルを豊富に含んでいる雑穀です。粟に長ねぎとしょうがを加えると、胃液の分泌が高まって消化吸収がよくなり、さといもの胃腸を丈夫にする働きと一緒に、食欲増進に働きます。さといものヌメリ成分は脳細胞を活性化し、免疫力を強化する働きを持っています。
●材料(2人分)
もち粟……1/4カップ(30g)
さといも(大)……2個(260g)
長ねぎ……1/4本(30g)
しょうが……1片
ごま油……小さじ1
A しょうゆ……大さじ1
砂糖……小さじ1
酒……小さじ1
水……3/4カップ
水溶き片栗粉……適量
●作り方
① さといもはよく洗い、皮付きのまま蒸す。蒸しあがったら皮をむき、食べやすい大きさに切る。
② 長ねぎとしょうがはみじん切りにする。
③ 鍋にごま油を熱し、中火で②を炒める。
④ ③にAともち粟を入れ、煮立ったら弱火にして約15分煮、水溶き片栗粉を加えてトロミをつける。
⑤ 器にさといもを盛り、④をかける。