大麦(おおむぎ)
原産地は西アジアから中央アジアの乾燥地帯で、古代エジプトのツタンカーメン王の墓からも発見されており、世界最古の穀物のひとつといわれています。日本には3~4世紀に中国・朝鮮経由で伝来し、奈良時代に栽培が広がり、米と混ぜて食べられるようになったといわれています。寒さや乾燥に強いイネ科の越年草で、世界各地で栽培されています。六条種と二条種があり、日常食されるのは六条種を精麦した押し麦です。大麦は煮えにくいため精白した粒状の丸麦を押しつぶした「押し麦」や、切断した「切断麦」にして利用されます。
成分
水溶性と不溶性の食物繊維を豊富にバランスよく含んでいる。カルシウム、カリウム、鉄分などのミネラル類や、ビタミンB1を含有している。ポリフェノール系の成分を含んでいる。
効能
食物繊維が血糖値上昇を抑えるので、糖尿病予防に有効。また、血中コレステロール値を下げる働きがあるので高脂血症予防にも有効。便秘解消にも働く。鉄分が貧血を予防し、ビタミンB1が食欲を増進させる。体内の熱をしずめ、口の渇きを止める働きがある。ポリフェノールの抗酸化力が老化を予防する。
効果的な調理のポイント
- クセがないのでスープの具やサラダに使うとよい。
- 精白・製粉することが難しいので、押し麦を利用するとよい。
レシピ
押し麦と鶏肉の牛乳スープ
「五穀の長」で体力増強
所要時間:50分
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たんぱく質と脂質が豊富な押し麦と鶏肉は、消化が促進され、体力が増強する食べ合わせです。脂質は良質でコレステロールの低下に働き、押し麦の豊富な食物繊維が腸の働きを整えるのと同時に血中コレステロール値減少に働き、動脈硬化を予防します。ビタミンやミネラルを含んだ大麦は、「五穀の長」と呼ばれています。
●材料(1人分)
押し麦……1/3カップ
鶏肉……50g
玉ねぎ……50g
にんじん……20g
にんにく……1片
オリーブ油……大さじ1
スープ……2カップ
塩……適量
牛乳……1カップ
塩、こしょう……各適量
●作り方
① 押し麦は洗い、水気をきり、20~30分置く。
② 鶏肉は1cm角に切る。
③ 玉ねぎは皮をむき、1cm角に切る。
④ にんじんはよく洗い、5~6mm角に切る。
⑤ にんにくは薄切りにする。
⑥ 鍋にオリーブ油とにんにくを入れ、炒める。
⑦ にんにくの香りが出たら鶏肉を入れ炒める。
⑧ 鶏肉に火が通ったら、玉ねぎと押し麦を入れ、よく炒める。
⑨ 押し麦の表面に焼き色がついたら、にんじんを入れ、炒める。
⑩ ⑨にスープを入れ、弱火で約20分煮込み、塩・こしょうで味を調える。
⑪ ⑩に牛乳を入れ、沸騰しないように弱火にし、約10分煮る。