米(古代米)

古代米とは、稲の原種で野生稲の特徴を受けついでいる米(稲)をいいます。色が赤、黒、緑などの有色米が多く、実りの頃、籾がひとりでにこぼれ落ちます。背丈が高いため倒伏しやすく、品種改良された現代の米に比べて収量が半分以下。糠の部分に赤い色素(タンニン)を含んでいる赤米、紫黒の色素(アントシアニン)を含んでいる黒米、緑の色素を含んでいる緑米があります。

●古代米(黒米)

古来中国では宮廷に献上する米であり、楊貴妃も美容食として好んで食べていたといわれています。薬膳料理に多く使われ、「薬米」の別名も持ち、五分づきにすると米が紫色になるため「紫米(紫黒米)」ともいわれます。米粒の形は、ジャポニカ種とインディカ種があり、世界的には長粒が多くほとんどがもち種です。

●古代米(赤米)

野生稲の大部分がこの赤米であるところから、米のルーツといわれています。縄文時代晩期に日本に伝わった最初のイネと考えられ、お赤飯のルーツといわれる赤い色が特徴です。穂が赤い色をしており、あっさりした味です。

成分

古代米には白米に比べてたんぱく質、ビタミン類、ミネラル類を多く含有している。健康食として人気がある。

効能

黒米の色素であるアントシアニン(ポリフェノールの一種)は、抗酸化力があり、血管を保護して動脈硬化を予防し、がん予防に働く。
赤米の色素であるカテキン・タンニン(ポリフェノールの一種)は、発がん抑制作用があり、血中コレステロールを下げて血圧の上昇を抑えるので、血糖値を改善する。
緑米は、普通のもち米より粘りが強く、甘みがある。亜鉛やマグネシウム、食物繊維を豊富に含んでいるので、血液を浄化し精神を安定させる働きがある。

効果的な調理のポイント

  • 赤米は五分づきにすると薄紅色になり、白米と混ぜて炊くとピンク色に染まる。
  • 黒米を五分づきにすると黒紫色になる。白米と混ぜると食べやすくなる。

レシピ
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黒米入り鮭の炊き込みごはん
黒米、鮭、スプラウトで免疫力を強化する
所要時間:10~15分(米を漬ける時間と、炊く時間は除く)
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黒米の黒い色はポリフェノールの一種のアントシアニンで、抗酸化力を持っています。鮭の赤い色はカロチノイド色素のアスタキサンチンで、活性酸素から細胞の酸化を防ぐ働きを持っています。黒米と鮭に、抗がん効果の高いブロッコリースプライト(ブロッコリーの新芽)をプラスして、免疫力を強化します。

●材料(2人分)
胚芽米……2カップ
黒米……大さじ2
生鮭……2切れ
ブロッコリースプライト……適量
ごま…… 適量
A しょうゆ、酒……各大さじ1

●作り方

① 米はよく洗い、Aを入れ、分量の水加減にする。
② 鮭はさっと洗う。
③ ブロッコリースプライトは根を切り落とす。
④ ①に鮭を乗せ、炊く。
⑤ 炊き上がったら、鮭の身をほぐし、ブロッコリースプライトを加えて混ぜ合わせる。
⑥ 茶わんに盛り、漬物を添える。

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赤米入り干ししいたけとジャコのお粥
便秘を予防し、コレステロールを低下させる
所要時間:35~40分(米を漬ける時間は除く)
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赤米の赤い色はポリフェノール系の一種のタンニンで、抗酸化力が強く細胞の若さを維持する働きがあります。お赤飯のルーツともいわれ、食物センイも豊富です。干ししいたけには水溶性の食物センイが豊富に含まれ、お腹をスッキリさせると同時にコレステロールを下げる働きもあります。ジャコはカタクチイワシの稚魚を干して作ったものです。

●材料(2人分)
赤米……大さじ2
白米……1/4カップ
水……3と1/2カップ
干ししいたけ……2枚
ジャコ……10g
塩……適量
薬味(たくあん、かぶ、ごま、青じその細切り)……適量

●作り方

① 赤米と白米を洗い、鍋に分量の水と一緒に入れ(干ししいたけの戻し汁を加えてもよい)、一晩置く。
② 干ししいたけは水で戻し、細切りにする。
③ ①に干ししいたけを入れ、中火にかける。煮立ったら弱火にして、フタを少しずらして乗せ、20分くらいコトコト炊く。
④ ③にジャコを加え、さらに10分くらいコトコト炊く。
⑤ 塩で味を調える。