麩(ふ)

小麦粉たんぱく質のグルテンから作られ、少量しか取れないため、江戸時代には貴重な高級食材でした。唐で作られた麺筋(グルテン)が日本に伝わり精進料理などで使われたのが始まりといわれ、作られるようになった時期は奈良・平安時代説と鎌倉時代説があります。蒸して作る「生麩」、焼いて作る「焼麩」、油で揚げて作る「油麩」などがあります。

成分

良質な植物性たんぱく質や脂質、糖質、鉄などのミネラル類を豊富に含んでいる。グルテンペプチドが含有されている。

効能

たんぱく質は良質な植物性たんぱくで消化吸収に優れている。豊富な鉄分が貧血を予防するので、女性におススメ。グルテンペプチドは血圧低下、鎮痛、胃液分泌抑制などの効果が高い。

効果的な調理のポイント

  • 焼麩の戻し方:たっぷりの水に漬ける。長く漬けても大丈夫。60~80度のお湯に漬けると早く戻る。十分やわらかくなったら、手のひらで水をきる。
  • 生麩は油との相性がよいので、油で炒めても美味しい。
  • 生麩は冷蔵保管するとかたくなるのが早いので、冷凍する方がよい。解凍したら冷蔵庫に入れ、なるべく早く食べるようにする。

レシピ
08-02-02_01
焼き車麩のとろろがけ
長いもと車麩の栄養素が、虚弱体質を改善する
所要時間:10~15分(車麩を戻す時間は除く)
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長いものアミラーゼは消化がよく、虚弱体質を改善する食材です。車麩は小麦粉のグルテンからつくられ、良質なたんぱく質と脂質を持った栄養価の高い食材です。ともに滋養強壮に優れているので、病後や体力の落ちた時におススメの一品です。気力を高めるかつおぶしをたっぷりかけます。

●材料(2人分)
長いも……15cm
車麩(大)……2枚
かつおぶし……1カップ
あさつき……2本
油……適量

●作り方

① 長いもは皮をむき、すりおろす。
② 車麩はたっぷりの水でしっかり戻し、両手にはさんで水分を絞り、6つに切る。
③ あさつきは小口切りにする。
④ フライパンに油を敷き、車麩を入れて焼く。片面に焦げめがついたらひっくり返し、上に①を乗せフタをして、火を通す。
⑤ 器に盛り、かつおぶしとねぎをたっぷりかけ、しょうゆをかけていただく。