白玉粉(しらたまこ)
もち米を一晩水に漬け、水洗いの後すりつぶし、沈殿したものを乾燥させて作ります。寒中に作られるので、別名「寒ざらし粉」とも呼ばれています。室町時代から食されていたといわれ、寒い冬に凍てた米を細かく砕き、だんごの原料として使ったのが始まりといわれています。粒状の乾物食品なので虫がつきにくく、長期保存が可能です。
成分
主成分は炭水化物で、たんぱく質は良質。マグネシウム、リン、亜鉛、マンガンなどのミネラル類を含む。ビタミンB1や食物繊維を含有している。
効能
炭水化物はエネルギーを生み出す栄養素なので、体力が強化される。糖質代謝に必要なビタミンB1も含有しているので、糖質過多を防ぎ、肥満を予防する。ミネラル類は体調を整える働きがあり、健康の保持や疾病の予防に機能する。細かい粒なので消化がよく、胃腸に負担をかけず吸収もよい。
効果的な調理のポイント
- 練る時は水を少量ずつ加えて練っていくと失敗しない。
- 砂糖を混ぜて作ると、4~5日はやわらかいままで食べられる。
- 調理してからは水に漬けて保存をする。ただし、水がぬるくなると臭いが出るので、時々水を替えるとよい(特に夏場は注意)。
- 作っただんごを長期保存する時は、急速冷凍する。ふやけたり、かたくなるのを防げる。
レシピ
菜種御供(菜の花団子)
白玉粉が冷え性改善に働く
所要時間:20分
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菜種御供(なたねごく)は、菜種御供大祭で参拝者にふるまわれるくちなしの実で黄色く色づけした団子です。くちなしの乾果は中医学では「山梔子(サンシシ)」と呼ばれ、胆汁分泌の促進や止血、鎮痛などに利用されています。もち米で作られる白玉粉は体を温める働きに優れ、冷え性改善に有効に働きます。菜種御供は雑煮や粥など好みのものに入れていただきます。
●材料(12~13個分)
白玉粉……100g
水……90CC
くちなしの乾実……1個
雑煮、粥、ぜんざいなど好みでそろえる
●作り方
① くちなしの実はつぶし、水に2~3分浸けて十分色を出し、漉す。
② ボウルに白玉粉を入れ、色出ししたくちなしの水を少しずつ加えて練り、耳たぶくらいのやわらかさになったら、直径2~3cmの団子に丸める。くちなしの水が足りなくなったら水を加えて練る。
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③ 沸騰した湯に、丸めた白玉団子を入れる。団子が浮き上がってきたら1~2分茹で、冷水に取り、水気をきる。
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④ 好みで雑煮・粥・ぜんざいに入れていただく。