いんげんまめ(隠元豆) 旬:12月から翌年の5月まで

1654年、中国明からの帰化僧、隠元によって持ち帰えられ広められたと伝えられており、名前もそれに由来しています。原産は南米で、メキシコのテワカン渓谷の洞窟で紀元前5千年頃のものと考えられるいんげん豆が発見されています。コロンブスの新大陸発見によって世界中に広まり、色も形も多用で、世界中には1千種類以上あるといわれています。
いんげん豆の種類
●手忙(てぼう):白色、やや小粒。白あんの材料などに使われる。
●白いんげん豆:白色、やや平らな大粒。大福豆とも呼ばれ、煮豆や甘納豆などに。
●とら豆:半分が褐色のまだら、もう半分は白色。うずら豆を改良した高級品種。
●うずら豆:淡い褐色に茶色のまだらでウズラの卵に似ている。皮は厚めで煮豆に向く。
●金時豆:赤紫色で煮豆や甘納豆に利用される。北海道十勝地方の旧大正村(現在帯広市大正)に由来する「大正金時」が有名。
●黒いんげん豆(ブラックビーン):日本ではあまり見ないが南米ではポピュラーな豆。ブラジルではフェイジョアーダという黒い煮込み料理がある。
●キドニービーン:金時豆とほぼ同じ種類で「チリビーンズ」「チリコンカルネ」などの料理によく使われる。

成分

主成分は糖質とたんぱく質。食物繊維、カルシウムが多い。ビタミンB1を含む。

効能

食物繊維が糖質の吸収を緩慢にし、血糖値がゆっくり上昇するので、インスリンの省力化に役立ち糖尿病の改善に役立つ。また、悪玉コレステロールを排出するので、がん予防にも有効。カルシウムが骨粗鬆症を予防する。良質なたんぱく質なので滋養強壮に向く。

効果的な調理のポイント

  • 煮ると種皮がやわらかくなるので、煮豆に適している。
  • ビタミンB1の吸収をよくする玉ねぎやねぎなど、含硫化合物と一緒に料理すると効果的。
  • 米と豆を9対1くらいの割合で食べると、双方に足りないアミノ酸が補われ、すべての必須アミノ酸を取ることができる。
  • いんげん豆には血液凝集成分が含まれているので、生のままで大量に食べるとお腹をこわすので注意。この成分は20分くらい加熱すれば分解されて無害になる。
  • いんげん豆は皮がやわらかいので水分が蒸発しやすい。収穫された翌年の梅雨時までに食べきるとよい。反対に取れたての豆は、含まれる水分の量にバラツキがあり、煮た時にムラが出るので、取れてから2カ月ほど経過してから調理に使うとよい。

レシピ
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いんげん豆とアサリのトマト煮
糖尿病の予防と改善に有効
所要時間:25分(干ししいたけを戻す時間は除く)
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いんげん豆の主成分はでんぷんとたんぱく質で、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維が糖質の吸収を穏やかにするため、血糖値がゆっくり上がり糖尿病の改善に有効に働きます。アサリのインスリン高める作用と、インスリンの分泌を調整するしいたけを食べ合わせることで、糖尿病の予防と改善がより高められます。

●材料(2人分)
白いんげん豆(煮たもの)……100g
アサリ(むき身)……15g
たまねぎ…… 1/4個
干ししいたけ……1個
トマトホール缶……60g
オリーブ油……大さじ1
スープ……1と1/2カップ
ローリエ……1枚
塩、こしょう……各適量

●作り方

① 干ししいたけはたっぷりの水に一晩浸け、石づきと軸を取り、かさ部分は細切り、軸は輪切りにする。
② たまねぎはみじん切りにする。
③ 鍋にオリーブ油を入れて火にかけ、弱火でたまねぎを炒める。
④ たまねぎがしんなりしたら、スープ、白いんげん豆、しいたけ、ローリエを入れ、煮立ったら弱火で約15分コトコト煮る。
⑤ ④にアサリとトマトを加え、2~3分加熱し、塩・こしょうで味を調える。