紅花いんげん豆(紅花隠元豆)別名:花豆
原産は西アジアといいわれ、豆粒は1cmくらいでヒヨコの頭に似た形をしていることからこの名がつけられました。日本では豆の色が白や肌色が一般的ですが、もっとも栽培が多いインドでは、黒、茶、赤などいろいろな色をしたやや小粒の「デシ(desi)型」が多く生産されています。引き割りのダールとしてスープやカレーに使われる重要な食べ物です。
原産地は中央アメリカから南アメリカの高原地帯。花が赤いために「紅花いんげん」と呼ばれ、いんげん豆と遠い親戚関係にあり、日本には江戸時代末期に伝来したといわれています。最初は鑑賞用として栽培されたため「花豆」とも呼ばれ、結実が10%と花落ちが多く収穫の少ない大粒な豆です。国内主産地は北海道で、長野県、群馬県が続きます。
●紫花豆:おもに長野県で栽培。
●白花豆:おもに北海道で栽培。
成分
主成分は糖質とたんぱく質。食物繊維、カルシウムが多い。ビタミンB1を含む。
効能
食物繊維が糖質の吸収を緩慢にし、血糖値がゆっくり上昇するので、インスリンの省力化に役立ち糖尿病の改善に役立つ。また、悪玉コレステロールを排出するので、がん予防にも有効。カルシウムが骨粗鬆症を予防する。良質なたんぱく質なので滋養強壮に向く。
効果的な調理のポイント
- 煮ると種皮がやわらかくなるので、煮豆に適している。
- ビタミンB1の吸収をよくする含硫化合物と一緒に料理するとよい。
- 米と豆を9対1くらいの割合で食べると、双方に足りないアミノ酸が補われ、すべての必須アミノ酸を取ることができる。
- 皮がやわらかいので水分が蒸発しやすいので、収穫された翌年の梅雨時までに食べきるとよい。反対に取れたての豆は、含まれる水分の量にバラツキがあり、煮た時にムラが出るので、取れてから2カ月ほど経過してから調理に使うとよい。
レシピ
紅花いんげんとトマト・たまねぎのごまマヨネーズサラダ
食欲不振や肩こりの予防に働く
所要時間:10分(マヨネーズを作る時間は除く)
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紅花いんげんは良質な植物性たんぱく質を持ち、脂質は不飽和脂肪酸でビタミンB1やカリウムを豊富に含んでいる豆です。玉ねぎと一緒に食べ合わせることで、玉ねぎの硫化アリルがビタミンB1の吸収を高め、食欲不振や肩こりなどの予防に働きます。トマトとパセリで、紅花いんげんに不足するビタミンCを補います。
●材料(2人分)
紅花いんげん(煮たもの)……60g
トマト(大)……1/2個
玉ねぎ……1/4個
パセリのみじん切り……大さじ1
●ごまマヨネーズ……大さじ1
※マヨネーズの分量は目安です。分量は好みで調整してください。
●作り方
① トマトはヘタを取り、2cm角に切る(紅花いんげんと同じくらいの大きさに切る)。
② 玉ねぎは薄いスライスに切り、3分くらい水にさらし、軽く絞る。
③ ボウルにごまマヨネーズを入れ、トマト、玉ねぎ、紅花いんげん、パセリを加えて混ぜ合わせる。