旬:日本栗(9~10月)
「桃・栗三年 柿八年」といわれるように成長の早いブナ科の植物で、縄文時代の遺跡から炭化された栗が出土されています。仏教伝来とともに大陸から栗の栽培技術が伝えられ、大粒の栗が栽培されるようになり、江戸時代には将軍家に献上されています。温暖地域に分布し、栽培されているのは日本栗、中国栗、ヨーロッパ栗、アメリカ栗の4種類です。

●栗の種類
日本栗:日本原産。採取期の終わりごろが大粒になる。収穫期によって、早生種、中生種、晩生種に分類される。
中国栗:中国原産。小粒で甘みが強く、天津甘栗が有名。害虫に強く日本では栽培できない。
ヨーロッパ栗:カフカス西部から小アジアが原産。日本栗より小さくマロングラッセが有名。
アメリカ栗:アメリカ東部から北部が原産。 もともと木材やタンニンの原料だったが、現在は品種改良によって食用されている。

成分
主成分はでんぷんで、たんぱく質、脂質を含む。ビタミンB1、C、カリウム、食物繊維を含む。渋皮には渋みのもとのタンニンが含まれている。

効能
ビタミンB1が糖質をエネルギーに変えるので、疲労が回復し体力がつく。ビタミンCが血管を強化する。カリウムが体内のナトリウムを排出し血圧を安定させる。食物繊維が高血圧や動脈硬化を予防。タンニンは殺菌作用があり抗酸化作用を持つ。

効果的な調理のポイント
・ ビタミンCは糖質に包まれているので加熱に強い。
・ 鬼皮(外側の皮)は湯に漬けてから庖丁でむくとよい。
・ 裏ごしした栗は冷凍保存が可能。解凍は自然解凍で。

レシピ

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栗としいたけのカレー栗の主成分の糖質はエネルギー源として働き、体や脳を元気にする働きを持っています。栗には糖質をエネルギーに換えるビタミンB1が含まれており、玉ねぎの硫化アリルがその働きを高めるため、疲労回復力に優れています。しいたけやにんにくの抗酸化力がプラスされ、老化防止も期待できます。

 

●材料(2人分)
栗 10個
しいたけ 4枚
にんにく 1片
玉ねぎ(小) 1個(170g)
オリーブ油 大さじ1
カレールウ 50g

●作り方

① 栗は熱湯に5~6分浸け、鬼皮をむく。渋皮のまま、熱した網で焼き、表面を包丁でこそげ、筋を竹串でていねいに取る。

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② しいたけは石づきと軸を取り、かさと軸を細切りにする。
③ にんにくは薄いスライスに切る。
④ 玉ねぎは皮をむき、みじん切りにする。
⑤ 鍋に油を熱し、玉ねぎとにんにくを弱火で炒める。
⑥ 玉ねぎがあめ色になったら、しいたけ、栗、水3カップ(分量外)を入れ、中火で煮る(目安は25分位)。途中水が足りなくなったら加える。
⑦ 栗がやわらかくなったら、火を止め、カレールウを加えて溶かす。
⑧ さっと火を通す。