旬:周年
仏教とともに伝えられ、奈良時代にごま油が料理に使われていたと記されており、肉食が禁じられていた僧侶たちの貴重な栄養源でした。貴重品として扱われ一般に普及したのは栽培が可能になった江戸時代。原産地はアフリカのサバンナ地方といわれ、古代エジプトでは食用のほかに、ミイラの仕上にごま油を防腐剤として使用していたといわれています。

成分
脂質や各種アミノ酸を含んだ良質なたんぱく質が豊富。脂質は不飽和脂肪酸のリノレン酸、リノール酸、オレイン酸など。カルシウム、鉄、ビタミンB1、B2、ビタミンE、マグネシウムも多い。セサミン、セサミノールなどのごま特有のゴマグリナンや必須アミノ酸のトリプトファンを含む。

効能
不飽和脂肪酸が血中コレステロール値を下げ、動脈硬化予防に有効に働く。カルシウムが骨を形成し骨粗鬆症の予防に効果がある。セサミンやセサミノールは抗酸化物質で活性酸素を除去する働きがある。セサミンはコレステロール値を下げ、善玉コレステロールを増やす働きがある。ビタミンEは抗酸化作用を促進させる働きがあり、老化やがんを予防する効果が高い。トリプトファンが精神を安定させる。

効果的な調理のポイント
・精製された洗いごまのままでは外皮がかたく消化・吸収が悪いので、必ず煎ること。煎り過ぎると苦みが出るので注意する。
・栄養素を効率よく取るなら、細かくするとよい。
・指でひねった「ひねりごま」は香りがよいので、汁物に入れたり、薬味として使うとよい。
・すりつぶしたごまにはちみつを加え混ぜて、スコーンやパンに塗るとおいしい。ごまの量が多い方がヘルシー。

レシピ
老化防止の鍋料理

鶏だんごのにんにく入りごま味噌鍋

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松の実とごまをたっぷり使った鍋です。種実類にはビタミンEが豊富に含まれており、大豆を醗酵させた味噌も同様で、老化防止の効果に優れた食べ合わせです。ブロッコリーやしめじ、にんにくは抗酸化力の高い食材で、細胞の酸化を防いで老化を予防します。

●材料(2人分)
鶏だんご
  鶏ひき肉 150g
  松の実(刻む) 大さじ1
  しいたけ(みじん切り) 1枚
  小麦粉 大さじ1
しめじ 1/2パック
ブロッコリー 1/2株
昆布 1枚(10cm×5cm)
にんにく(スライス) 1片
味噌 40g
すりごま(黒) 40g
酒 大さじ1と1/2
●たれ・薬味
薬味 ねぎ、しょうがなど好みのもの

●作り方
① 鶏だんごの材料をよく混ぜ合わせる。
② しめじは根を切り、ほぐしておく。
③ ブロッコリーは熱湯でさっとゆで、小房に分けておく。
④ なべに水4カップ(分量外)と昆布を入れ、30分位おいてからにんにくを加え火にかける。沸騰寸前に昆布を取り出す。
⑤ ④に味噌を入れ、よく溶かしてからすりごまと酒、①、②を入れ煮る。
⑥ 鶏だんごに火が通ったら③を入れ、ひと煮立ちさせる。
⑦ 器に盛り、薬味を添える。

●鍋が残ったら…
温めてスープとしていただく。