油揚げは豆腐を薄く切って水切りし食用油で揚げたもので、薄揚げとかいなり揚げとも呼ばれています。室町時代の精進料理から誕生したという説や、江戸時代に流行した天ぷらの揚げ物として考案されたという説があります。油揚げを使った「いなりずし」の発祥は豊川稲荷(愛知県豊川市)門前で、天保の大飢饉のころに考案されたといわれています。

成分

大豆と同様の成分を含有しており、さらに、加工されることで大豆の栄養分が吸収されやすくなっている。アミノ酸組成に優れたたんぱく質を含み、脂質は良質な不飽和脂肪酸。ビタミンB1、Eなどのビタミン類や、カルシウムや鉄分などのミネラル類を含んでいる。サポニンやレシチン、バルミトオレイン酸を含有している。

効能
大豆を煮た場合、通常65%位の栄養吸収が、加工されることで90~95%まで高まり豊富な栄養素を摂取することができる。不飽和脂肪酸が植物油との相乗効果でコレステロールを取り除き、大豆サポニンの働きも一緒になり生活習慣病の予防に効果が高い。ビタミンEが老化防止に働き、バルミトオレイン酸は脳卒中予防効果が高い。

効果的な調理のポイント
・リノール酸は酸化が早いので、揚げたて以外は油抜きをするとよい。古くなったものを食べると腹痛や下痢を起こすことがあるので注意。また、逆にコレステロールが増えてしまう。
・バルミトオレイン酸は卵と一緒に取ると効果が高まる。卵のレシチンがバルミトオレイン酸を包み込んで吸収しやすくする。

レシピ

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鶏ひき肉とオクラの信田巻き
所要時間:25~30分

鶏ひき肉とオクラはともにアミノ酸組成に優れた良質なたんぱく質と、ビタミンAを豊富に含有しており、胃腸や体力強化に有効な食材です。白滝とオクラの食物センイの働きで腸内の老廃物や有害物質が体外に排出され、便秘解消が期待できます。オクラの有効成分は煮汁に溶け出るので、薄味にして煮汁を残さないようにしましょう。

●材料(2人分)
鶏ひき肉 100g
オクラ(大) 2本
白滝 30g
油揚げ 2枚
A だし汁
  酒、砂糖、しょうゆ 1カップ
  各小さじ2

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●作り方

① 油揚げは熱湯を回しかけて油抜きをし、三方を切って1枚に広げる。
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② 白滝はさっと熱湯をくぐらせ、粗いみじん切りにする。
③ オクラはヘタとガクの部分を切り、塩で表面をこすり水洗いをする。
④ ボウルに鶏ひき肉と白滝を入れ、よく混ぜ合わせ、2等分にする。
⑤ 油揚げを広げ、④を平に広げ手前にオクラを乗せ、手前からクルクル巻き、巻き終わりを爪楊枝で留める。
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⑥ 鍋にAを入れて煮立て、⑤を入れ、落としぶたをして弱火で煮る。
⑦ 途中、上下を返し、汁気がなくなるまで煮る。