豆腐は遣唐使によってその製法が伝わったと一般にいわれていますが、朝鮮伝来という説もあります。禅僧の精進料理の中で発展し、庶民の食べ物として広く普及したのは江戸時代の中期。天明2年に刊行された人気書『豆腐百珍(とうふひゃくちん)』を契機に豆腐は全国に普及していきました。江戸初期には高級食品で、三代将軍・家光によって、農民が製造することは禁じられていました。

成分
消化吸収のよいたんぱく質を含有。脂質は不飽和脂肪酸のリノール酸。カルシウムを豊富に含んでいる。リン脂質のレシチン、サポニン、イソフラボン、オリゴ糖が含まれている。

効能
カルシウムが骨や歯を強化し、精神を安定させる。イソフラボンの働きと一緒になり、骨粗鬆症予防に効果が高い。レシチンが脳の働きを高め、サポニンと一緒に血管内のコレステロールを溶かし血液をサラサラにし、リノール酸がコレステロールを減少させ生活習慣病を予防する。オリゴ糖がビフィズス菌を増やして腸を元気にする。

効果的な調理のポイント
・新鮮な水に漬して、野菜室で保存するとよい。凍ってしまうと「ス」が入ってしまうので、冷え過ぎないように注意する。
・ラップをかけて、他の食品のにおいがつかないようにする。
・2~3日保存する時は、布巾に包んで沸騰した熱湯に入れ、再び沸騰したら取り出し、水で冷やす。水は毎日取りかえる。
・木綿豆腐を水切りして串をさし、遠火でゆっくり焼くと香ばしい焼き豆腐ができる。串をさす時は湯の中ですると豆腐がくずれない。

レシピ

豆腐とエビ・にらの炒め物

豆腐とエビ、にらの炒めもの

豆腐とエビの食べ合わせは、良質なたんぱく質が胃腸を強化し、ともに豊富に含まれるカルシウムや鉄分が、骨の強化や精神安定、貧血予防などに有効に働きます。貧血予防効果は、にらのビタミンCがプラスされることでさらに高まります。豆腐とエビに含まれるビタミンB1は、にらの硫化アリルの働きで吸収率が高まり、疲労回復に有効です。

 ●材料(2人分)
豆腐(木綿) 1/2丁
エビ 6本
にら 3本
サラダ油 大さじ2
水溶き片栗粉 適量(水と片栗粉は同量)
A ねぎ、しょうが、にんにく 各みじん切り小さじ1
B スープ 1/2カップ
  しょうゆ、酒  各大さじ1

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●作り方
① 豆腐はよく水きりし、1cm厚さの拍子切りにする。
② エビは殻をむき、背ワタを取り除く。大きかったら二つに切る。
③ にらはざく切りにする。
④ フライパンに油を熱し、豆腐を入れて両面に焼き色がつくまで炒める。器に取り出す。
豆腐の両面を焼く
⑤ ④のフライパンにAを入れ弱火で炒め、香りを出す。
⑥ ⑤にエビを加え、中火でさっと炒める。
⑦ ⑥にB、豆腐、にらを入れて煮る。
豆腐・エビ・にらを煮る
⑧ 豆腐に火が通ったら、水溶き片栗粉を回し入れ、トロミをつける。