納豆は日本独特の発酵食品。納豆菌を発酵させてつくる糸引き納豆と、塩を加えて菌の繁殖を抑え成熟させる塩納豆があり、元来は冬の食べ物でしたが、冷蔵庫の普及とともに一年中食べられるようになりました。誕生には諸説あり、大豆もワラもあった弥生時代に食していた可能性が濃厚です。初出文献は藤原明衡の『新猿楽記』(1286年)に記されている塩辛納豆です。
成分
ナットウキナーゼを含有。良質なたんぱく質と脂質を含有。ビタミンKやビタミンB1、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラル類、食物繊維が含まれ、イソフラボン、コリン、納豆菌も豊富に含まれている。
効能
ナットウキナーゼは納豆にしか含まれていない酵素で、血栓を予防し血液をサラサラにする。良質な大豆たんぱくが血糖値を下げ、糖尿病予防に働く。ビタミンKが骨にカルシウムを貼り付け、カルシウムやイソフラボンが骨を強化し骨粗鬆症予防に働く。納豆菌が消化吸収を高め、腸内の善玉菌を増やし、食物センイと一緒に便秘予防に効果がある。コリンが脳細胞を活性する。
効果的な調理のポイント
・ナットウキナーゼは糸に含まれるので、よく混ぜ、糸をひかせるとよい。
・酵素の働きを取り入れるなら、加熱しない方がよい。酵素は約70℃で活力を失ってしまう。
・血栓は就寝中にできることが多いので、納豆は夜食べると、ナットウキナーゼの働きを有効に使える。
・心臓病などで病院から抗凝固薬のワーフアリンを処方され服用している場合は、医師と相談する方がよい。抗凝固の働きを妨げる可能性が高い。
・食べ合わせにより薬効が高まるので、薬味を上手に取り入れるとよい。
納豆・トマト・とうもろこしの黒酢和え
血管をしなやかにする食べ合わせ
納豆のナットウキナーゼ、トマトのリコピンやカリウム、とうもろこしのリノール酸や食物繊維は、血管をしなやかにして血栓を予防しコレステロールを低下させる食べ合わせです。黒酢のクエン酸が血流をよくし、高血圧や便秘予防にも優れた食べ合わせです。
●材料(2人分)
納豆 2パック
トマト(中) 2個
とうもろこし(ゆでた実) 50g
黒酢 適量
———————————————————-
●作り方
① 納豆はよく混ぜ、糸を十分に引かせる。
② トマトは横1cm幅の輪切りにし、1cm角に切る。
③ ボウルに納豆、トマト、とうもろこしを入れ、よく混ぜ合わせる。
④ 器に盛り、黒酢を回しかける。