濃い目に作った豆乳を平鍋で沸騰しないように加熱すると表面に皮膜ができます。この皮膜をすくいあげたものが生湯葉です。鎌倉時代に伝来したといわれ、当初は高級食材でした。室町時代の文献に「うば」との記載があり、表面の皮膜をすくい取ることから「うえ(上)」が変化し「うば」と呼ばれたと推測され、湯葉と呼ばれるようになったのは18世紀の終わりです。

成分
たんぱく質が約22%、脂質が約14%含有され、たんぱく質は良質でアミノ酸スコアに優れ、脂質は不飽和脂肪酸のリノール酸を含有。ビタミンE、K、B1、B2などのビタミン類や、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル類を含んでいる。イソフラボンやレシチン、サポニン、食物繊維も含まれている。干しゆばは全体に栄養素が倍増する。

効能
豊富なカルシウムはビタミンKやイソフラボンの働きと一緒になることで、骨の密度を高め骨粗鬆症の予防に効果が高い。イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするので、閉経後の女性には不可欠な栄養素となる。ビタミンEが老化を防ぎ、サポニンやレシチンが血中コレステロールや中性脂肪を減らし、生活習慣病を予防し脳の働きを活発にする。

効果的な調理のポイント
・生湯葉のできたてはやわらかくて美味。早く食べるとよい。
・生湯葉は味が淡白なので、鶏肉や白身魚などの動物性たんぱくと合わせるとよい。煮る時はとろ火で調理する。
・吸い物にする時は、先に椀に入れ、上から汁をかけるとよい。汁に入れて火を通さないこと。