マメ科の1・2年草。西南アジアや北アフリカが原産で、日本には8世紀ごろに渡来しました。さやが空に向かってつくので「空豆」、あるいは蚕を飼う初夏の食べ物で、形が蚕に似ていることから「蚕豆」とも書かれます。紀元前2500年前のスイスの遺跡から発掘されており、古代儀式ではそら豆を使った豆粥を神へ供えていたといわれています。
成分
たんぱく質とでんぷんが主成分。ビタミン類では特にビタミンB1、B2を豊富に含んでいる。カロテンやビタミンCも多く、カルシウム、カリウム、リンなどのミネラル類、食物繊維を含んでいる。皮にはアミノ酸のチロシンが含まれている。
効能
ビタミンB1は糖質を分解してエネルギーにかえる働きがあるので、疲労感や倦怠感、食欲不振を和らげる働きがある。ビタミンB2は成長を促すホルモンといわれ細胞の再生を助けるので、子どもの成長に欠かせない。カリウムはナトリウムを排出し利尿効果があり、チロシンと一緒に高血圧に有効。チロシンは脳の伝達物質の原料で、頭の回転をよくする働きがある。食物繊維が血中コレステロールを減らして血糖値の安定を図る。
効果的な調理のポイント
- ビタミンB群は紫外線に当たると分解するので、さや入りを買う方がよい。
- 皮の部分にも薬効が含まれているので、皮をむかずに料理する方が薬効を無駄なく取り入れることができる。
- 「おいしいのは3日間」といわれるほど鮮度の落ちるのが早いので、すぐに食べるとよい。
レシピ
そら豆のホワイトシチュー
ビタミンB1が無駄なく取れる
所要時間:30~35分
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そら豆、じゃがいも、牛乳と、良質なたんぱく質とでんぷんが豊富で、体力のつく一品です。そら豆に多く含まれるビタミンB1は水溶性のビタミンなので、シチューやスープなどの煮込み料理にすると、栄養素を無駄なく取り入れることができます。にんじんのカロテンは煮込むことで吸収率が高まり、そら豆と牛乳のカルシウムが歯や骨の強化に働きます。
●材料(2人分)
そら豆(さやを取り除いたもの) 10個
じゃがいも(大) 1個
にんじん 1/2本
ベーコン 3枚(40gくらい)
水 4カップ
ホワイトシチュー(固形) 100g
牛乳 1/カップ
サラダ油 大さじ1/2
塩、こしょう 各少々
●作り方
① そら豆は熱湯に入れてかためにゆで、皮をむく。
② じゃがいもは皮をむき、4等分に切る。
③ にんじんは皮をこそげ、1cm幅の輪切りにする。
④ ベーコンは1枚を4等分にする。
⑤ 鍋に油を熱し、ベーコンを炒め、油が出たら②、③を加えてよく炒める。
⑥ ⑤に水を加え煮る。
⑦ じゃがいもがやわらかくなったら、いったん火を止め、ホワイトシチューを入れ溶かす。
⑧ 火をつけて弱火にし、牛乳とそら豆を入れ、塩、こしょうで味を調え、さっと火を通す。