2世紀頃からローマ人に栽培されていたとの記録のある歴史の古い植物です。原産地は地中海沿岸で、ビタミン・ミネラル類が豊富なため「栄養宝石の王冠」と呼ばれています。明治初年に渡来しましたが、消費が増えたのは1965年ごろで、緑色種がポピュラーです。カリフラワーの原型で、イタリア語の「萌芽(brocco)」が名の由来といわれています。
成分
ビタミンCとカロテンが豊富。B1やB2のビタミン類も多い。鉄分やカルシウム、カリウム、葉緑素、亜鉛などのミネラル類を含有し、食物繊維も含んでいる。化学物質のスルフォラファンを含有。ビタミンKやUを含んでいる。
効能
豊富なビタミンCがシミやソバカスに有効で、カロテンが皮膚や粘膜を丈夫にするので美肌効果や風邪予防に優れている。スルフォラファンは活性酸素を解毒する酵素を活性化させる働きがあり、カロテンの抗酸化力と一緒にガン抑制に効果を発揮する。食物繊維が腸の働きを整える。鉄分が冷え性や貧血に、ビタミンKが骨粗鬆症に有効。免疫力強化に優れている。
効果的な調理のポイント
- ゆでてから調理する。蕾部分はすぐに火が通るので、茎の部分から入れてゆでるとよい。
- ビタミンCは水溶性で熱に弱いので、ゆでる時間は短時間にする。
- スープなどにすると、水溶性のビタミンCを無駄なく取ることができる。
- カロテンは油と一緒に調理すると吸収率が高まる。
- スルフォラファンは熱に強い。
- 茎の部分にも栄養素が多いので、ゆでた後、刻んで使うとよい。
- すぐに使い切れない時は、さっと固めにゆで、冷めてから密閉容器に入れて冷蔵庫で保存するとよい。
レシピ
ブロッコリーとサイコロステーキの温野菜のサラダ
野菜と牛肉の栄養素を、大根の消化酵素が無駄なく高める
所要時間:20~25分
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カロテン、ビタミンC、カリウムの豊富な野菜と、アミノ酸スコア満点の牛肉を一緒にしたサラダは、体力がつき、免疫力が高まり、老化予防にも有効です。消化酵素を含んだ大根おろしをプラスして、消化吸収を高めます。わさびの辛み成分には殺菌効果があり、消化吸収にもプラスに働きます。
●材料(2人分)
ロッコリー 1/2個
牛肉(ステーキ用) 100g
にんじん 1/2本
じゃがいも 1個
A 大根おろし 大さじ2
しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ1
サラダ油 大さじ2
おろしわさび 少々
おろしにんにく 少々
●作り方
① ブロッコリーは小房に分け、さっとゆで、水気をきっておく。
② にんじんとじゃがいもは皮をむき、一口大に切ってゆで、水気をきっておく。
③ 牛肉は塩、こしょうをし、フライパンで両面を焼き、2cm位のサイコロ状に切る。
④ ボウルに①、②、③、Aを入れて混ぜ合わせる。