キク科の多年草で、全国の山野に自生している数少ない日本原産の野菜。栽培は8世紀ごろに始まったといわれ、冬に黄色い花が咲くことから「冬黄=ふゆき」⇒「ふき」と呼ばれるようになったといわれています。「春の料理には苦みを添えよ」といわれ、早春に芽を出すふきは、冬の間に蓄積された体内の老廃物を排泄するとして珍重されています。ふきのとうはふきの蕾で、春先に真っ先に土から顔を出すため「春を告げる山菜」と呼ばれています。特有の苦みと香りを持つため、冬眠から目覚めた熊が一番初めに口にするといわれています。
成分
主成分は水分で、特有の香りと苦みがある。食物繊維や、カリウムやカルシウムなどのミネラル類を多く含有する。ふきの花蕾のふきのとうには、カロテン、ビタミンB1、B2が多く含まれている。苦みはフキノール酸、ケンフェノール、アルカロイドなどのポリフェノール類で、香り成分はフキノリド。
効能
食物繊維が胃腸の働きを高めて便通を整え、悪玉コレステロールを除去する。カリウムが体内の余分なナトリウムを排出し、食物繊維と一緒に協力し、高血圧や動脈硬化に有効に働く。独特の苦み成分には食欲増進、食中毒の予防、消炎作用があり、冬の間に体に溜まった老廃物を排出する働きがある。フキノール酸は血中のヒスタミンを減らし、花粉症の予防や咳止めに効果があるといわれ、ケンフェノールが発がん物質を除去し、アルカロイドが春のだるさや疲れ解消に働く。フキノリドは胃腸の働きを高める働きがある。
効果的な調理のポイント
- アクを抜いてから調理する。まず塩で板ずりしてから熱湯でゆで、水にさらしてアクを抜く。
- ふきのとうはたっぷりの水に浸けてアクを抜く。途中水が黒ずむので変えるとよい。天ぷらにする時は、そのまま揚げる。
レシピ
ふき味噌
早春ならではのほどよい苦み
所要時間:15~20分(ふきのとうを水に漬ける時間は除く)
——————-
ふきのとうと甘味噌を練り合わせて作るふき味噌は、ほどよい苦みを持ったこの季節ならではの一品です。ふきのとうの特有の苦みはフキノール酸やケンフェノールなどのポリフェノール類で、フキノール酸は、血中ヒスタミンの働きを抑え、花粉症に効果があるといわれています。黒ずむのは豊富に含まれているポリフェノールのため。冷蔵庫に入れておけば、約1ヶ月は保存が可能です。
●材料(2人分)
ふきのとう 100g(小粒8個くらい)
味噌 (できれば2~3種類をブレンドして) 70g
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
砂糖 大さじ3
サラダ油 少々
●作り方
① ふきのとうは、周りの黒ずんだ葉や根元を取り除く。
② 半分に切り、たっぷりの水に2時間くらい浸けてアクを抜く。途中水が黒ずむので、新しい水に変える。
③ 水気をきったふきのとうを、みじん切りにする。
④ 鍋にサラダ油を熱し、味噌、酒、みりん、砂糖を入れて、弱火でよく練る。
![]() |
→ | ![]() |
⑤ ④の合わせ味噌がトロリとしてなめらかになってきたら、刻んだふきのとうを加え、3~4分弱火でよく練り合わせる。
![]() |
→ | ![]() |
→ | ![]() |