古くから食用されている山菜で、日当たりのよい山地に自生します。繁殖力が強く、春に若葉が巻いているものを茎ごと食べるので「早蕨=さわらび」と呼ばれ、また子どもの拳に似ていることから「蕨手=わらびて」とも呼ばれています。根茎から取れるでんぷんのわらび粉から、わらび餅が作られます。根茎はインドでは下痢止め、欧州では民間薬の虫下しとして利用されています。
成分
カロテン、ビタミンB2、カリウム、食物繊維が多く含まれている。干しわらびになると栄養素(特にカロテン)がアップする。生わらびはビタミンB1分解酵素アノイリナーゼを含んでいる。
効能
ビタミンB2が体内の過酸化脂質をできにくくし動脈硬化の予防に働く。豊富な食物繊維が腸の働きを活発にして有害物質や老廃物を排出するので、便秘を解消し大腸がんの予防に効果がある。カリウムがナトリウムを排泄するので、血圧が安定する。
効果的な調理のポイント
- アクが強いのでアク抜きをする。熱湯に木灰か重曹を入れてゆで、水にさらす。
- ビタミンB1分解酵素のアノイリナーゼを含んでいるので加熱するとよい。加熱するとその効力は失われる。
レシピ
たたきわらびのやまかけどんぶり
消化吸収に優れ、疲労感や倦怠感を回復する
所要時間:15~20分(わらびのアク抜きの時間は除く)
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でんぷんを分解するジアスターゼやアミラーゼを含んでいるやまいもは、一緒に食べたものの消化吸収を高めるため、滋養強壮に優れた効果があり、生食だとさらにその効果が高まります。わらびのビタミンB1分解酵素の働きは加熱により効力を失うので、ゆでたわらびの薬効が、米の糖質を分解してエネルギーに変え、疲労感や倦怠感を回復します。
●材料(2人分)
わらび 100g
やまいも 100g
ごはん どんぶり2杯分
のり、わさび 各適量
A だし汁 大さじ1
しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ1/2
付け合わせ(かまぼことあさつきのお吸い物)
●作り方
① わらびはアク抜き(※参照)をし、包丁で細かくたたき、ネバリを出す。
② やまいもは皮をむき、すり鉢でよくする。
③ ②に①とAを入れ、よく混ぜ合わせる。
④ 器にご飯を盛り、③をかけ、わさびと細切りのりを天盛りにする。
※ わらびのアク抜き
鍋にわらびと重曹(湯1リットルに対して小さじ1)を入れ、熱い湯を注ぐ。ふたをして一晩置き、流水で水洗いをする。