しそ(紫蘇) 旬:6~9月(通年出回っている)
紫蘇の「蘇」は「死者を蘇らせる」という意味で、古くは薬として利用されていた植物です。日本料理では香りづけとして用いられ、栽培が始まったのは奈良時代で、食用として利用されるようになったのは室町時代といわれています。原産は東インドや中国で、アジアの温帯地方では広く栽培されており、葉の種類によって青じそ(葉の両面とも青緑色)、赤じそ(紅紫色)、片面じそ(表が緑で裏が紫)に分類されています。
成分
カロテン、ビタミンC、ミネラル類が豊富。青じそは特に鉄分やカロテン含有量が多く、赤じそは水溶性のアントシアン系色素のシソニンを含有。香り成分はぺリルアルデヒド。種実から採取したしそ油にはα―リノレン酸が含まれている。
効能
カロテンの抗酸化力、ビタミンCのストレスに対する抵抗力、α―リノレン酸の免疫力を高める作用と、シソニンの強い抗酸化力らが一緒になって活性酸素を除去するので、がん予防の効果が高い。またα―リノレン酸はアレルギー症状を抑える働きがあり、ルテリンやロズマリン酸と一緒に花粉症の予防・緩和に働く。ぺリルアルデヒドは細菌類の繁殖を抑え食中毒を防止する。
効果的な調理のポイント
- 香り成分のぺリルアルデヒドは細かく刻むほど効果が高まる。
- 加熱しすぎると、香りも栄養分も損なわれるので注意。
- 防腐効果があるので、魚などに直接触れさせるとよい。
レシピ
青じそのしょうゆ漬け
体を温め、花粉症予防に有効
所要時間:10分
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抗菌作用の高いしょうゆに、にんにくを加えると、解熱作用がさらに高まります。唐辛子が血行をよくして体を温めるので、花粉症予防に有効です。胃腸が増強し食欲が増進されます。作って2~3日経つとさらに美味しくなります。保存の目安は約1カ月です。
●材料(2人分)
青じそ 20枚
A しょうゆ 1/2カップ
水 1/2カップ
にんにくのすりおろし 小さじ1
とうがらしの輪切り 1/2本分
●作り方
① 青じそはよく洗い、水気をていねいに拭き取る。
② 鍋にAを入れ、沸騰直前まで温める。
③ ②が冷えたら、青じそを漬け込む。