にんにく(大蒜) 旬:5~8月

旧約聖書に登場するほど古い歴史を持ち、古代エジプトではピラミッド建設に従事する人の重要な食料でした。日本でも『古事記』や『日本書紀』で不浄や悪疫退治に用いられたとの記述があります。少量の常食が効果を生み、がん予防に効果のある食べ物の筆頭に挙げられています。

成分

独特の辛みと臭気を持つ。臭気は硫化アリル類のアリシン。スコルジニン、セレンを含有。

効能

アリシンは強い殺菌力を持ち、食品についた細菌だけではなく、体内に侵入したウイルスまで殺す働きがある。ビタミンB1の吸収を高める働きがあるので疲労回復や脳の活性化に優れている。スコルジニンは血行をよくするので冷え性に有効。セレンは抗酸化力があり、アリシンと一緒にがん発生の抑制に働く。

効果的な調理のポイント

  • 油で熱すると臭気がとんでアリシンはアホエンという物質を生成する。・アホエンは血流をよくし血栓ができるのを防ぐ。
  • 加熱すると臭気が飛ぶので、臭いが苦手な場合は加熱するとよい。
  • にんにくのアリシンは時間が経つと失われ、有効成分も減少するので、使うたびにきったりすりおろすとよい。
  • 臭気は時間が経つと強くなるので、食べる直前に調理するとよい。
  • ビタミンB1と結合するとアリアチミンという物質に変化してスタミナを持続させる働きがあるので、B1を多く含んだ食材と食べ合わせるとスタミナ食になる。

レシピ
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にんにくとフランスパンのスープ
にんにくとトマトで免疫力がアップする
所要時間:20~25分
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にんにくはアメリカ農務省が発表したがん予防に効果のある「デザイナーフーズプログラム」のトップにあげられた食材です。抗酸化力が高く細胞の酸化を防ぎ、免疫力強化に有効です。トマトと一緒に取ると、トマトのリコピンの働きで抗酸化力がさらに高まります。パンで糖質を、チーズでたんぱく質を補います。

●材料(2人分)
スープ 1と1/2カップ
にんにく 1片
フランスパン 2cm
トマト(大) 1/2個
ピザ用チーズ 大さじ2
オリーブ油 大さじ1/2
パセリのみじん切り 少々
塩、こしょう 各少々

●作り方

① にんにくは薄いスライスに切る。
② トマトは1cm角に切る。
③ フランスパンは1cm厚さに切り、軽くトーストする。
④ 鍋にオリーブ油とにんにくを入れ、弱火で炒める。
⑤ にんにくの香りが出たらトマトを入れてさっと炒め、スープを加えて5~6分煮る。
⑥ 塩、こしょうで味を調え、耐熱容器に入れる。
⑦ ⑥の上にトーストしたフランスパンを浮かべ、上にピザ用チーズを乗せ、220~230℃のオーブンでチーズが溶けるまで焼く(6分くらい)。
⑧ パセリのみじん切りを散らす。