わさび(山葵) 旬:一年中

食用の歴史が古い、日本特産のアブラナ科の野菜です。『古今著聞集(ここんちょもんじゅう)』には野生のわさびを取ったことが記されており、『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』にはそばの薬味として使ったと書かれています。13~16℃の流水で栽培するのが普通ですが、畑でも栽培され「はたわさび」「おかわさび」と呼ばれています。辛み成分のシニグリンとミロシナーゼは別々の細胞に入っているため、わさびは細かくおろして混ぜ合わせることが辛みを引き出すポイントです。

成分

ビタミンCが豊富。辛みはシニグリンという配糖体が酵素ミロシナーゼで分解されたアリルカラシ油。特有の香気はワサビオールという精油成分。

効能

アリルカラシ油は強力な殺菌作用と抗カビ作用がある。コレラ菌や大腸菌等をおろしわさびに浸けておくと、約12時間で菌は死滅するといわれる。サバに多い寄生虫のアニサキスも殺菌する。ビタミンCが血管を丈夫にする。

効果的な調理のポイント

  • シニグリンの量は中央や上端に多いので、上の部分からおろしていく
  • センイが多く、組織が緻密なので、目も細かいもので円を描くように優しくゆっくりおろすと、辛みも薬効も増える。
  • 辛み成分は揮発性で分解が早いので、おろしたらすぐに使うとよい。すりおろしてから3~5分がピーク、10分以内に食べるとよい。
  • より辛みを出すには、おろしてから包丁でたたくように刻むとよい。
  • おろし金に砂糖や塩を少し付けておろすと、酵素の働きで辛み成分が引き出され、辛みが高まる。