菌類の一種で誕生は今からおよそ一億年前。原産地は台湾やニューギニア等で、風に乗った胞子が日本に根づいたと考えられます。栽培が盛んになったのは江戸時代で、外国貿易での貴重な財源でしたが、1900年に科学的に栽培されるまでは神頼みに近い栽培でした。菌糸を接種する現在では四季を通じて安定供給され「菌食の王様」と呼ばれています。
成分
カロリーが少なく、食物繊維が豊富。うまみ成分はアミノ酸の一種のグアニル酸やグルタミン酸。エリタデシンやレンチナンを含有。日光に当たるとビタミンDになるエルゴステリンが多くなる。干ししいたけの特有の香りはレンチオニン。
効能
カロリーが少ないのでダイエットに向く。グルタミン酸は脳を活性化して新陳代謝を促し、老化防止に効果を発揮。エリタデシンは血中コレステロールを低下させる働きがあり、高血圧や動脈硬化の予防や改善に効果がある。レンチナンは抗腫瘍物質で、がん予防に優れている。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨粗鬆症に効く。
効果的な調理のポイント
- 水分を吸収しやすく、水に濡れると色が黒ずむので、調理直前まで水に浸けないようにする。
- 干ししいたけを戻す時は、冷水に12~24時間くらい浸けて戻す。常温の水よりも冷水に浸けた方が、グアニル酸が多く引き出される。
- 戻し水にはうま味成分が含まれているので、有効に利用する。
- エルゴステリンはかさの部分に多く含まれているので、天日で干すとエルゴステリンが増え、薬効が高まる。最近の干ししいたけはガス乾燥のものが多いので、日光に半日でもよいので当てるとよい。
レシピ
しいたけと春雨のスープ
スムーズな糖質分解が、疲労や肩こり予防に有効
所要時間:15~20分
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禅僧の精進料理で食べられていた春雨は糖質が豊富な食材です。豚肉のビタミンB1が効率よく糖質を分解し、疲れや肩こりを解消します。しいたけの食物センイが腸の働きを整え、不足しがちなビタミンB2を補い、生活習慣病予防や骨の強化に効果を発揮します。しょうがの香気が食欲を増進させます。
●材料(2人分)
しいたけ 6枚
春雨 30g
しょうが 1片
豚ひき肉 80~100g
あさつき(小口切り) 適量
A 水 3カップ
酒 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
塩 小さじ1/2
水溶き片栗粉 適量
●作り方
① しいたけは石づきを取り、細切りにする。石づきの部分も細切りにする。
② 春雨は食べやすい長さに切る。
③ しょうがはみじん切りにする。
④ 鍋に油を入れて熱し、しょうがと豚ひき肉を炒める。
⑤ 豚ひき肉がポロポロになってきたら、しいたけを入れてさっと炒め、春雨とAを加え中火で5~6分煮る。
⑥ 水溶き片栗粉を回し入れ、1~2分煮てトロミをつける。
⑦ 器に盛り、あさつきの小口切りを飾る。