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クレソン 旬:3~9月(露地もの)

アブラナ科の多年草で、ウォータークレスと呼ばれ、水底の浅い清流で育つ生命力の強い植物です。原産はヨーロッパ、ロシア、アジアなどといわれ、古くから野生のものが食されており、栽培は14世紀にフランスで行われたといわれています。日本には明治の始めに伝来し、近年の食生活の変化に伴い、需要の増加してきた野菜です。学名はナスタチューム・オフェチナーリスで、オフェチナーリスは「薬効がある」という意味です。

成分

水分が94%を占め、カロテンや鉄分などのミネラル類を豊富に含有している。ビタミンCやK、葉酸などのビタミン類を含み、特に葉酸含有が高い。不溶性の食物センイを多く含んでいる。辛み成分は配糖体のグルコナスルチン。

効能

カロテンが粘膜を強化し、視力の衰えを予防する。鉄分と葉酸が増血作用に働き貧血を予防する。ビタミンCが血管を丈夫にして精神を安定させ、ビタミンKが骨の形成に働く。食物繊維が便秘を解消する。辛み成分のグルコナスルチンが食欲を増進させる。

効果的な調理のポイント

  • カロテンは加熱や油で炒めると吸収率が高まる。
  • 鉄分はビタミンCと一緒に取ると吸収率が高まるので、鉄分の吸収を高めたかったら、生食で、野菜や果物と一緒に取るとよい。
  • 肉の脂肪を分解する働きがあるので、肉料理と一緒に取るとよい。食後の口臭予防にもなる。
  • ビタミンDを含んだ食材と一緒に取ると、カルシウムを無駄なく取り入れることができる。

レシピ
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クレソンの薄焼き網卵包み
クレソンと卵の組み合わせは、栄養バランスの優等生
所要時間:35~40分
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クレソンのビタミン類やミネラル類に、豚肉や卵の動物性たんぱく質と、カシューナッツの脂質がプラスされた、栄養バランスに優れた一品です。疲労回復に有効な豚肉のビタミンB1の働きを、にんにくのアリシンが高めます。鉄分や葉酸、ビタミンB12が貧血を予防し、ビタミンCがその効果を高めます。クレソンのビタミンCと食物センイが、卵に足りない栄養素を補います。

●材料(2人分)
クレソン 50g
豚ひき肉 60g
カシューナッツ 12粒
にんにく 1片
卵 2個
A ケチャップ 大さじ1
  酢、ごま油 大さじ1/2
塩、こしょう 各適量

●作り方

① クレソンはよく洗い、葉の部分は摘み、茎の部分は細かく切っておく。よく水気をきっておく。
② カシューナッツとにんにくはみじん切りにする。
③ フライパンに油を熱し、弱火でにんにくを炒め、香りが出たら豚ひき肉を入れて炒める。
④ 豚肉に火が通ったら、クレソンの茎の部分とカシューナッツを入れて炒め、塩、こしょうで味を調える。
⑤ ボウルに卵を割り入れ、泡だて器でよく溶いておく。
⑥ フライパンに油を熱し、手の指先に卵液をつけ、フライパンの上で上下左右に動かしながら卵液を落とし、網状の薄焼き卵をつくる。同じものを6枚つくる。
⑦ ⑥の中央にクレソンの葉を乗せ、上から④の1/6を乗せて包む。同じものを6つつくる。
⑧ 器に盛り、クレソンとAのタレを添える。