01-01-05_00春菊 旬:11~3月

原産地は地中海沿岸地方で、500年ほど前に中国から渡来した野菜です。春に花を咲かせることからこの名前がつき、特有の香りを持っています。菊の葉の形に似ていることから関西では「菊菜」とも呼ばれています。食用しているのは日本や中国などで、欧米では鑑賞用として栽培されています。漢方の世界では古くからその効能が尊ばれ、「食べる風邪薬」と珍重され、民間療法では絞り汁を飲むと高血圧によるのぼせを取り除き、血圧を下げる働きがあるといわれています。

成分

カロテン、ビタミンC、ビタミンKなどのビタミン類と、鉄分、カルシウム、カリウムなどのミネラル類を豊富に含んでいる。ビタミンB2や食物繊維も含有し、独特の香りはピネン、ベンズアルデヒドなどで、アレルギーを改善するα‐リノレン酸を含んでいる。

効能

カロテンとビタミンCが豊富なのでがん予防や肌荒れに効果がある。カルシウムと骨の形成をを促進するビタミンKの働きで骨が強化され、鉄分が貧血予防に働く。独特の香りは胃腸の働きを高め、カルシウムと共に精神を安定させ、咳やタンを鎮める働きがある。食物繊維は便通を整え大腸がんにも有効。ビタミンB2は脂肪の分解を助けるので肥満予防も期待できる。

効果的な調理のポイント

  • さっとゆでて水にさらして色止めする時は、ビタミン類が流失してしまうので短時間で水から上げる。
  • 春菊のビタミンCは壊れにくいので鍋物や汁物に向くが、加熱しすぎると栄養素が失わるので注意。
  • カロテンは油と一緒に取ると吸収率が高まるので、かき揚やソテーがおすすめ。

レシピ
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春菊の混ぜごはん
カルシウムとビタミンDで、骨粗鬆症を予防する
所要時間:20~25分(ごはんを炊く時間は除く)
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炊き上がったごはんに混ぜ込むことで、春菊のビタミンCが有効に取れる一品です。ビタミンDの豊富なサバ水煮缶を使い、カルシウム吸収を高めて骨や歯を丈夫にし、骨粗鬆症を予防します。春菊の特有の香りを生かして胃腸の働きを高め、ビタミンEが豊富な菊花やごまをプラスして、若々しさを保ちます。サバ水煮缶は骨も取り除かずに使いましょう。

●材料(2人分)
春菊 1/2束
食用菊(大) 1個
サバ水煮缶(大) 1缶
すりごま 大さじ1
米 白米1カップ+玄米1/2カップ
A 昆布 3cm
  酒 大さじ1
  塩 小さじ1/2

●作り方

① 米は研いでAを入れて普通の水加減にし、炊く。
② 春菊は熱湯でさっとゆで、水気を絞り、細かく刻む。
③ 食用菊は酢を加えた熱湯でさっとゆで、水気を絞る。
④ サバ水煮缶は汁気を切り、鍋に入れて空煎りし、ごまを加えて混ぜる。
⑤ 炊き上がったごはんをよく混ぜ、②、③、④を加えてさっくり混ぜ合わせる。

●基本のクッキング用語

「空煎り」
水や油を使わないで材料を鍋で煎ること。こんにゃくのような材料の余分な水分を取る時や、ごまなどにほのかな焦げ色をつけて香ばしくする時などに用いる手法です。