アブラナ科の野菜で、花や茎、葉を食し、かすかな苦みを持っています。かつてはアブラナ(油菜)と呼ばれ採油用に栽培されていましたが、現在は野菜としての栽培が盛んです。つぼみを食べる和種と茎を食べる洋種の2種類があり、和種は弥生時代に、洋種は明治初期に伝わったといわれています。開花前の方が栄養価に優れ、価格も高くなります。
成分
カロテンやビタミンC、E、Kなどのビタミン類や、カルシウムや鉄分、カリウムなどのミネラル類を豊富に含んでいる。アブラナ科に含まれるスルフォラファンを含有し、特有の苦み成分アリルイソチオシアネートを持っている。
効能
カロテンやビタミンCが免疫力を高め、風邪を予防し、ビタミンEの働きと一緒になり老化を予防し美肌を作る。カリウムが体内の塩分バランスを保ち高血圧の予防に働く。鉄分が貧血を予防し、食欲不振や消化不振を解消する。カルシウムはビタミンKと一緒に骨や歯を丈夫にして精神を安定させる。ビタミンCが鉄分やカルシウムの働きを倍増させる。スルフォラファンは抗酸化力が高く、アリルイソチオシアネート、カロテン、ビタミンCと一緒にがん予防に働く。体が軽く動きが順調になる。
効果的な調理のポイント
- 苦みがあるので、さっと茹でる。茹で過ぎるとビタミン類が流失してしまうので注意する。
- 茎の切り口に近い部分は固いので、2~3cm切り落として使うとよい。
- 苦みをやわらげるには、油で炒めるとよい。グラタンなどに入れても苦みはやわらぐ。
- 花が開いているものは鮮度や栄養価が落ちるので、購入する時は蕾が開いていないものを選ぶとよい。
レシピ
菜の花とカニの辛子和え
菜の花のカロテンが、風邪を予防し美肌をつくる
所要時間:10~15分
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菜の花のほのかな苦みと辛子の辛みがマッチした一品です。ビタミン類やミネラル類が豊富な菜の花に、カニでたんぱく質を、松の実で脂質を補い、栄養バランスを整えます。菜の花、松の実ともに抗酸化力に優れているので、細胞を酸化から守り免疫力を強化してくれます。松の実の脂質が菜の花のカロテンの吸収を高め、風邪の予防や美肌つくりに有効に働きます。
●材料(2人分)
菜の花 1/2束(100g)
カニ(身) 30g
松の実 大さじ1
A 練り辛し 小さじ1
サラダ油 小さじ1/2
しょうゆ 大さじ1/2
だし汁 大さじ2
●作り方
① 菜の花は根元のかたい部分を切り落とし、塩少々(分量外)を加えた熱湯でゆで、水に放し水気を絞る。半分の長さに切り、しょうゆ少々(分量外)を振っておく。
② ボウルにAを入れてよく混ぜ、①、ほぐしたカニ、松の実を入れ和える。