原産地は西アジア、コーカサス地方。江戸時代に中国から渡来したため、唐菜(からな)とも呼ばれています。大きく分けると葉に鋸のような切れ込みの入った東洋種と、切れ込みが少なく丸く大ぶりの西洋種があります。東洋種は晩秋から冬に出回り、西洋種は春から初夏に出回ります。冷涼な気候を好み、霜にあたると甘みが増し、栄養価も高まります。
成分
カロテン、ビタミンC、ビタミンB1、B2、鉄分、カルシウムが豊富。根元の赤い部分にはマンガンが含まれている。葉酸や亜鉛も含有。シュウ酸が含まれているためカルシウムや鉄分の吸収が悪く、多量に体内に入るとカルシウムと結合して結石の原因にもなるが、ゆでて水にさらすと取り除くことができる
効能
カロテンが夜盲症の予防や粘膜保護に有効で、豊富なビタミンCと一緒に風邪予防、美肌効果に優れ、さらにビタミンEも加わり高い抗がん効果が期待できる。食物センイは吸収がよく便秘予防に効果がある。マンガンは骨の形成に関わり、鉄分や葉酸と一緒に増血作用を促し、貧血の予防と治療に有効。亜鉛は味覚異常を改善する。
効果的な調理のポイント
- シュウ酸を含んでいるので下ゆでし水にさらすのが基本。ただし、ビタミンCは熱に弱いので、加熱時間が長いと損失するので注意。ゆで時間1分で約30%のビタミンCが損失するといわれている。
- カロテンや鉄分は油と一緒に調理すると、吸収率がアップする。ごま和えの時は、ごまをしっかりすって油を出すこと。
- 根元の赤い部分にはマンガンが含まれているので、切り落とさずに利用する。
- 葉がしんなりした時は、根元に切り込みを入れて軽くもみ、10分位水に浸けておくとシャキッとする
レシピ
ほうれん草とレーズンの落花生和え
体を酸化から守るバランスメニュー
所要時間:15~20分
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ほうれん草のカロテンとビタミンC、クランベリーのファイトケミカル(植物の持つ抗酸化力)、落花生の不飽和脂肪酸が組み合わさり、体を酸化から守るバランスのよい一品です。落花生には良質な脂質とビタミンB1が含まれているので、体調を維持し、疲労感や倦怠感を回復してくれます。落花生の脂質がほうれん草のカロテン吸収率を高めます。
●材料(2人分)
ほうれん草 1/2束
クランベリー 大さじ1
落花生(実) 大さじ2
A 砂糖 大さじ1/3
みりん 大さじ1/2
しょうゆ 大さじ1
●作り方
① ほうれん草は熱湯でさっとゆで、水に取り水気を絞り、3cm位の長さに切る。
② 落花生は渋皮を取り、庖丁で粗く刻み、すり鉢に入れてつぶすようにたたき、Aを加えてよくすり合わせる。
③ ②にほうれん草とクランベリーを入れ、和える。
●ここに注意!
「ほうれん草はさっとゆでる」
ほうれん草のビタミンCは熱に弱い性質なので、ゆでる時はさっと短時間ですませましょう。長くゆでるほどビタミンCは失われていきます。1分で26%、2分で39%、3分で52%のビタミンCが失われます。