セリ科の宿根性多年草で、日本列島に広く野生している日本原産の野草です。セリの新種と思われていたため、ミツバゼリと呼ばれ、食用とされたのは室町時代以降と考えられています。栽培して食用としているのは日本と中国だけといわれ、香りを楽しむ香味野菜として人気があります。3枚の小葉からなるので三つ葉と名付けられ、緑の葉の部分が多いほど、栄養素や薬効が優れています。切り三つ葉、糸三つ葉、根三つ葉の種類があり、一番香りが高いのが糸三つ葉です。
成分
ビタミンC、カロテンなどのビタミン類や、カルシウムや鉄分などのミネラル類が豊富。緑の濃い部分はカロテンが多い。香り成分はミツバエンやクリプトテーネン。
効能
ビタミンCやカロテンが豊富なので肌荒れや風邪予防、視力低下に効果がある。香り成分は神経を鎮め、消化を促進し、食欲増進に有効。特に春先のものはその効果が優れている。二日酔いにも効果がある。
効果的な調理のポイント
- 加熱しすぎると香りが落ち、歯ざわりも損なわれるので注意。
- 切ってから時間が経つと香りが飛んでしまうので、食べる直前に切るとよい。
- 切り三つ葉は組織が軟弱なので、生食・汁に散らす・さっと揚げるなどにするとベスト。
- 根三つ葉はアクが強いので、さっとゆでる。
レシピ
三つ葉と鶏ササミの酢味噌和え
三つ葉の香り成分が消化を促進し、食欲を増進させる
所要時間:15~20分
——————-
三つ葉の香り成分には消化を促進し、食欲を増進させる働きがあります。春先の三つ葉にはその効果が高く、消化のよい鶏肉をプラスすることで、疲れた時や胃腸の弱った時におススメの一品です。三つ葉のミネラル類が体調を整え、鶏肉の動物性たんぱく質が体力を強化します。アーモンドのビタミンEが鶏肉に含まれる不飽和脂肪酸の酸化を防ぎ、動脈硬化の予防にも有効です。
●材料(2人分)
三つ葉 100g
鶏ささみ肉 1本
アーモンド 5粒
A 味噌(できれば白味噌) 大さじ2
酢 大さじ1
みりん 大さじ1
●作り方
① 三つ葉は熱湯に通してさっとゆで、水気を絞り、3cm長さに切る。
② 鶏ささみ肉は皿に乗せ、酒少々(分量外)を振り、蒸気の上がった蒸し器に入れ7~8分蒸す。冷めたら手で裂いておく。
③ アーモンドは粗く刻んでおく。
④ Aをよく混ぜ合わせ、①、②、③を和える。