古くから根は強壮や利尿、種子は興奮剤として薬用に用いられた歴史があります。古代ローマやギリシャでは整腸剤や強精剤などとして珍重され、16世紀のオランダでは神経症状を改善する薬として使われていました。日本には明治初年に食用として導入されましたが、独特の香りが好まれず、広く一般化したのは戦後。別名オランダミツバとも呼ばれます。
成分
カリウム、カロテン、ビタミンB1、B2、ビタミンCが豊富。カリウム、カルシウム、鉄分などのミネラル類を含有。精油成分はセダノリッドやセネリン。食物繊維も多い。ビタミンUも含んでいる。
効能
ビタミン類やミネラル類がバランスよく含まれており、生活習慣病の予防に期待できる。豊富なカリウムが体内の余分なナトリウムを排泄し血管を広げるので、高血圧に効果がある。カロテンとビタミンCが胃を丈夫にし鎮静作用を促す。食物繊維が腸を整えコレステロール低下に有効に働く。香り成分は食欲増進、精神安定、頭痛などに効果があり、消臭作用もあるので口臭防止に有効。ビタミンUは「抗潰瘍性因子」とも呼ばれ、潰瘍を治す働きがある。
効果的な調理のポイント
- 茎よりも葉の部分の方が栄養価は高いので、佃煮や天ぷらにして食べるとよい。
- 油と一緒に調理するとカロテンの吸収が高まる。
- 特有の香りが苦手の場合は、牛乳を加えるとやわらぐ。
- 生食が苦手な場合は、葉や茎を果物と一緒にジュースにするとよい。
レシピ
セロリとじゃがいものカレースープ煮
セロリの特有な香り成分が精神を安定させる
所要時間:15分
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セロリ特有の香りはセダノリッドやセネリンという成分で、精神を安定させる働きを持っています。ビタミンB1を含むじゃがいもと一緒に取り入れることで、イライラや疲労感を予防します。血圧降下も期待できるスープ煮です。
●材料(2人分)
セロリ(茎と葉) 1本
じゃがいも 1個
にんにく 1片
オリーブ油 大さじ1/2
スープ 1カップ
A カレー粉 小さじ1/2
塩、こしょう 各適量
●作り方
① セロリは筋を取り、茎は1cm角に切り、葉は粗く刻む。
② じゃがいもは皮をむき、1cm角に切る。
③ にんにくはみじん切りにする。
④ 鍋にオリーブ油とにんにくを入れ、弱火で炒める。
⑤ にんにくの香りが出たら、セロリの茎とじゃがいもを加え、炒める。
⑥ ⑤にスープを入れ、煮立ったら中火で3~4分煮る。
⑦ セロリの葉を加え、Aで味を調え、火を止める。