竹の地下茎から出た幼茎のことで、多くは山野に自生しています。一般にたけのこというとやわらかくて香りのよい孟宗竹を指します。孟宗竹は1736年に渡来したとの記録がありますが、それ以前はややかたい淡竹などを食していました。食用しているのは、日本と中国といわれ、竹かんむりに旬という漢字は、一旬(10日間)で竹になることに由来しているといわれています。
成分
水分が約90%含まれている。ヘミセルロースやペントサンなどの食物繊維とカリウムを多く含有し、ビタミンCやB2などのビタミン類も含まれている。野菜の中ではたんぱく質が多く、アミノ酸のチロシンを多く含んでいる。えぐみの元はシュウ酸。
効能
解毒作用があり、水分が多く低カロリーなので生活習慣病に有効。食物繊維がコレステロールも吸収するので、便秘や大腸がんの予防に働く。カリウムが血圧を安定させ、高血圧を予防する。チロシンはうまみ成分だが、時間が経つとえぐみ成分に変化するので注意。
効果的な調理のポイント
- 皮の成分が線維をやわらかくしてくれるので、ゆでる時は皮をつけたままゆでる。
- 新鮮なものは生食できる。
- ゆでる時にヌカを入れてゆでると、ヌカがアクを吸着してくれる。この時付く白色沈澱物はチロシンが組織から流れ出たもの。
- えぐみ成分のシュウ酸はカルシウムと結合すると結石を作るので注意。
レシピ
たけのこごはん
便秘を解消し、高血圧を予防する
所要時間:15~20分(米を調味液に漬ける時間と炊く時間は除く)
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下味をつけたたけのこを炊き込んでつくるたけのこごはんは、春の香りを満喫できる春ならではの料理です。食物センイとカリウムが豊富で、便秘を解消し、高血圧を予防します。油揚げの植物性たんぱく質は良質で、ごはんの糖質と一緒にエネルギー源となります。たけのこに豊富に含まれるチロシンには、頭の回転をよくする働きがあります。
●材料(2人分)
たけのこ(ゆでたもの) 150g
油揚げ 1枚
米 2カップ
塩 小さじ1/3
木の芽 5~6枚
A だし汁 2カップ
しょうゆ 大さじ1と1/2
酒 大さじ2
砂糖 大さじ1/2
●作り方
① たけのこは、穂先部分は3cm長さに切ってから縦5~6等分に切り、胴部分は3cm長さの短冊切りにする。
② 油揚げは熱湯を回しかけて油抜きし、縦半分に切ってから細切りにする。
③ 鍋にA、①、②を入れ、さっと煮る。
④ 米はよく研ぎ、ザルにあげておく。
⑤ 炊飯器に③の煮汁を入れ、塩を加えて味を調え、米を入れる。
⑥ ⑤の水加減を整え(分量が足りなかったら水を足す)、③の具を乗せ、炊く。
※1時間以上おいてから炊くとよい。
⑦ よく蒸らしてからサックリ混ぜ、器に盛り、木の芽を飾る。