たまねぎ(玉葱) 旬:12~4月(新たまねぎ:5~6月)
ユリ科の越年草で、花称は「ネギボウズ」。古代エジプトではピラミッド建設時に労働者のエネルギー源とし食していたという記述が残っているほど、古くから「薬」として利用されてきた野菜です。明治時代に政府が欧米から多品種を導入しましたが、一般化したのは洋食が家庭に浸透した戦後です。長期保存ができる人気の野菜で、1人当たりの年間消費量は10キロといわれています。
成分
特有の香りと辛み成分の硫化アリル類が特徴。カリウム、カルシウム、鉄などのミネラルを含有。ビタミンB1、B2を含んでいる。
効能
硫化アリルとビタミンB1が結合してアリチアミンとなり疲労回復、不眠、精神不安定に効果がある。硫化アリルは血液凝固を遅らせる働きがあるので、高血圧や動脈硬化の予防に有効。血行をよくして体を温める作用もある。刺激剤として消化液の分泌を促し食欲不振にも効く。また血糖値を下げ正常な値に保つ働きがあるので、糖尿病の予防に期待ができる。
効果的な調理のポイント
- 硫化アリル類は水溶性なので水に溶けやすい。水にさらす時は2~3分にする。
- 硫化アリルは加熱すると甘み成分に変化するので、スープやシチューには炒めた方が旨みを引き出せる。
- 栄養素や薬効を期待する時は生食がよい。
- 切る時に水に濡らしてから切ると、催涙物質を防げる。よく切れる庖丁を使うとよい。
- 風通しのよい所に吊るしておくと、長持ちする。ただし、春先の新玉ねぎは水分が多いため1週間くらいしかもたないので注意。
レシピ
たまねぎとイワシ缶のお好み焼き
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たまねぎとイワシを同時に食べると、疲れを取り去り若さ維持の効果があります。さらにたまねぎの血流をよくする働きと、イワシのEPAが一緒になることで血管がキレイになり血栓予防に有効。キャベツを加えることでダイエット効果も高まり、豊富な食物繊維が便秘解消に働きます。カツオ節のDHAで脳の働きを高め、青海苔のカロテンとビタミンCでシミやシワを予防します。
●材料(2人分)
たまねぎ 200g
イワシ(缶詰) 1匹(40g)
キャベツ 1枚
A 小麦粉 大さじ3
片栗粉 大さじ1
水 大さじ5
ごま油 適量
ソース、カツオ節、青海苔など お好みで適量
●作り方
① たまねぎは半月の薄い輪切りにする。
② キャベツは芯を取り、細切りにする。
③ イワシは身をほぐす。
④ フライパンにごま油小さじ2を熱し、たまねぎを弱火で炒める。
⑤ たまねぎがしんなりしたら、キャベツとイワシを加え炒め、取り出す。
⑥ (5)のフライパンにごま油を少し多めに熱し、中央にAの1/4量を丸く敷き、上に(5)の具半分を乗せる。
⑦ 具の上にAの1/4量を回しかけ、返して両面を焼く。同じ物を2つ作る。
⑧ 器に盛り、ソースを塗り、カツオ節と青海苔を振る。