春の七草では「すずな」と呼ばれ、根、葉ともに栄養価が高く、大阪の天王寺かぶ、京都の聖護院かぶなど全国で約80種の品種があります。春ものもありますが、暑さに弱いので冬場のものが美味。地中海沿岸のヨーロッパ原産説とアフガニスタン原産説に分かれますが、日本では1300年頃から栽培が始まったといわれて、『日本書紀』にも記述されています。
成分
根と葉では栄養成分が大きく違う。根は淡色野菜で、葉は緑黄色野菜。根の部分はビタミンC、たんぱく質、カルシウム、葉酸、食物センイを含有、でんぷん消化酵素のアミラーゼを含んでいる。葉の部分にはカロテンやビタミンC、鉄分などが含まれている。アブラナ科に多く含まれる抗ガン物質のグルコシノレートを多く含有している。
効能
かぶは胃腸を温め冷えが原因の腹痛をやわらげる効果がある。アミラーゼを含んでいるので胃もたれや胸焼けを解消し、整腸効果がある。またかぶは特に抗がん物質のグルコシノレートを多く含んでおり、がん抑制効果も高い。葉酸は貧血予防に効果がある。カロテンやビタミンCが粘膜を強化するので、風邪を予防し、皮膚を丈夫にする。
効果的な調理のポイント
- 根部分は火が通りやすく煮崩れしやすいので、加熱は短時間にする。
- ビタミンCやグルコシノレートの効果を生かすなら生食がベスト。
- 根はアクが少ないが、葉はアクが強いので下ゆでが必要。
- 葉が根の水分を吸収してしまうので、購入したらすぐに葉と根を切り分けるとよい。
レシピ
かぶと鮭の昆布漬け
かぶの抗がん物質と鮭のアスタキサンチンでがん予防
所要時間:10分(漬けている時間は除く)
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かぶに含まれる抗がん物質のグルコシノレートやビタミンCの働きは、生で食べる方が効果的です。鮭のアスタキサンチンと一緒に抗酸化力を高め、がん予防も期待ができる一品です。かぶや昆布に含まれるカルシウムは、鮭のビタミンDの働きで吸収が高まり、骨や歯を丈夫にしてくれます。
●材料(2人分)
かぶ 3個(小ぶりだったら4個)
スモークサーモン 50g
昆布 5cm
塩 適量
●作り方
① かぶは茎を2cm位残して切り、よく洗い(茎の付け根の部分に泥がついていることが多いので)、6~8つに切る。
② スモークサーモンは一口大に切る。
③ 昆布は表面の汚れをふき、細切りにする。
④ ボウルにかぶを入れて塩を振り、よく混ぜる。サーモン、昆布を加え、混ぜ合わせる。
⑤ 密閉容器に入れ、一日置く。水が上がり、昆布のうまみが染み込んだらできあがり。