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ごぼう(牛蒡) 旬:10月~12月 ※夏ごぼう(新ごぼう)、関西の葉ごぼうは初夏(5~6月)が旬。

原産地はユーラシア大陸で、中国から薬草として平安時代に渡来し、以降、改良が重ねられてきた野菜です。食用としているのは日本だけともいわれ、中国では主として漢方薬に使われています。代表料理「きんぴらごぼう」は、江戸初期に流行した金平浄瑠璃の主人公「金平」に因んで名付けられました。古くヨーロッパでは煮だし汁を洗顔に使用した歴史があります。

成分

食物繊維が多い(セルロース、ヘミセルロース、リグニンなど)。炭水化物のイヌリンを含有。カリウムも多く含んでおり、アルギニンも含まれている。

効能

食物繊維の働きで整腸作用が活発になり、コレステロールを抑制するので動脈硬化の予防に効果がある。ごぼうの食物繊維は消化吸収されずに腸内の発がん物質を吸着し、排泄するので大腸がんの予防に働く。リグニンには解毒作用があり、発がん物質を無毒化し排泄する。イヌリンは腎臓の機能を高め利尿効果に優れ、血糖値上昇を抑える働きがあるので糖尿病予防に有効。アルギニンは性ホルモンの分泌を助けるので強壮効果が期待できる。

効果的な調理のポイント

  • うまみは皮の部分にあるので、皮はむかずに庖丁の背でこそげ取るか、タワシでこする程度にするとよい。
  • リグニンは切り口から出る。切り口が広いほど多く発生するので、ささがきなど面積の広い切り方がよい。リグニンは時間が経つと増えるので、切ってからしばらくおくとよい。目安は10~15分位。
  • ポリフェノール物質の働きで色が黒くなるので、切ったらすぐに水に放す。

レシピ
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ごぼうと牛肉の炊き込みごはん
牛肉の脂肪をごぼうのセンイがからめ取り、体力がつく一品
所要時間:15分(米を炊く時間は除く)
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ごぼうと牛肉の組み合わせは、牛肉の栄養素をプラスに働かせる賢い食べ方です。栄養価の高い牛肉の脂質は飽和脂肪酸。この脂質をごぼうの食物センイがからめ取って体の外へ排出し、体内での蓄積を防ぎます。玄米をプラスしてビタミンB群を補い、体内の過酸化脂質を防ぎます。

●材料(2人分)
ごぼう(中) 1本
牛肉 100g
パセリ(みじん切り) 大さじ1
米 白米1カップ+玄米1/2カップ
A しょうゆ 大さじ2
  みりん 大さじ1
  塩 小さじ1/3

●作り方

① 米は研いで、ヒタヒタの水に漬けておく。
② ごぼうは皮をこそげてささがきにし、水に放しておく。
③ 牛肉は細かく切り、塩・こしょう(分量外)を振る。
④ ①にAを入れ、普通の水加減にし、ごぼうと牛肉を入れ、炊く。
⑤ 炊き上がったらさっくり混ぜ、パセリを振る。

●基本のクッキング用語

「ささがきとは」
主にごぼうを切る時に用いられる言葉で、ささがきのささは「笹」のこと。笹の葉のような形に「掻く=削る」ためにこう呼ばれています。野菜の上に庖丁を寝かせ、鉛筆を削るような感じで切ります。ごぼうはアクが強いので、切った傍から水に漬けていきましょう。

「水に放す」
野菜が含んでいるアクは水に溶けやすいので、水の中に入れてアクを取り去るために行う「野菜のアク抜き」の方法。「さらす」ともいいます。ただし、長時間水に漬けていると風味や栄養分が流れ出てしまうので注意しましょう。