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さつまいも(薩摩芋) 旬:9~11月

やせ地でも凶作時でも収穫できるため、江戸時代の蘭学者青木昆陽により「救荒作物」として江戸・小石川の薬草園で栽培され、全国に広がった野菜です。原産地は中央アメリカ、南メキシコといわれ、日本には17世紀初頭に鹿児島と長崎・平戸に伝来しました。栄養価が高くカロリー効率が低いので少量で満腹感が得られ、ダイエットにも向く食材です。さつまいものビタミンCは、年を越して暖かくなると若干減少する傾向があります。

成分

糖質が約30%を占め、糖質の80%はデンプンで、残りはショ糖、ブドウ糖、果糖、マンニット。食物繊維とカリウムが豊富。ビタミンCはいも類の中ではトップの含有量で、ビタミンEも多い。白い乳液のようなものはヤラピンという成分。橙色はカロテンで、色の濃いものほどカロテン含有量が高まる。

効能

カリウムは体内の塩分バランスを調整するので、高血圧予防に効果がある。ビタミンCが風邪を予防し、シミやソバカスを防ぐ。食物繊維は腸管で吸収されずに便をやわらかくする働きがあり、ヤラピンと一緒に便秘の解消に効果を発揮するので、大腸がんの予防が期待できる。ビタミンEが酸化脂質を抑え老化防止に働く。

効果的な調理のポイント

  • アクが強く空気に触れると変色するので、切ったらすぐに水に放すとよい。
  • ビタミンCは熱を加えても破壊されにくいので、加熱料理にも向いている。丸ごと加熱してから切ると、ビタミンの損失が少なくてすむ。
  • 皮にも栄養素が豊富に含まれているので、皮も利用するとよい。有機栽培のものを求め皮付きで利用するとよい。
  • でんぷんを糖質に変えるアミラーゼがうまく働くのは80℃以下で徐々に加熱した時。電子レンジなどで急速に加熱すると甘みが引き出されないので、甘みを生かすならじっくり加熱するとよい。
  • 寒さに弱いので、冷蔵庫での保存には向かない。15℃位の温度が保存に最適。

レシピ
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さつまいもと鶏手羽先の味噌スープ
たっぷりのコラーゲンと味噌の薬効が、体を温め美肌をつくる
所要時間:15~20分
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鶏手羽先はたんぱく質の一種であるコラーゲンが豊富な部位で、弾力のある肌づくりに有効な食材です。コラーゲンはビタミンCと一緒に取るとより効果的。熱に強いさつまいものビタミンCやあさつきのビタミンCと一緒に取る味噌スープは、体を温め、シミやソバカスを防ぎ、美肌が期待できる一品です。

●材料(2人分)
さつまいも 250g
鶏手羽先 4本
味噌 大さじ2
あさつき(小口切り) 大さじ1
油 適量

●作り方

① さつまいもは1~2cm厚さの半月切りにし、水に放しておく。
② 鍋に油を熱し、鶏手羽先を入れて炒める。両面に焼き色がついたら水3カップ(分量外)を入れて5~6分煮る。さつまいもを加えて煮る。
③ さつまいもがやわらかくなったら、味噌を入れて溶かす。沸騰する直前に火を止める。
④ 器に盛り、あさつきを飾る。
※味噌は好みで量を加減する。