01-03-06_00
じゃがいも 旬:5~6月(春いも) 10~12月(秋いも)

カリウムの王様と呼ばれ、原産地は南アメリカのアンデス系産地。1598年(慶長3)、ジャガタラ(現ジャカルタ)港から長崎に伝えられ、栽培が容易で寒冷な気候にも適していたため、現在では北海道が国内全生産量の約50%を占めています。ビタミンCが多いことから、フランスでは「大地のりんご」と呼ばれ、水分が多いにもかかわらず寒さに強いので貯蔵に向いています。春いもは冬に植えたものを早く収穫したもの。水分が多いためサクサクした食感を持ち、皮がやわらかくビタミンCを多く含んでいます。

成分

水分が約80%を占め、糖質は約17%。ミネラル類はとくにカリウムが多く、リンや鉄も豊富。ビタミンCの含有量が高く、ビタミンB1も多い。さつまいもに比べて甘み性の糖分が少ないので主食としても利用されている。

効能

満腹感が得られてカロリーが低いのでダイエット食としても有効。ビタミンCはコラーゲンの合成を促し、粘膜にできた潰瘍を治したり予防し、風邪やストレスへの抵抗力を高める。豊富なカリウムが血圧を安定させ高血圧を予防する。むくみや腎機能低下、妊娠中毒症予防にも有効。ビタミンB1は糖質を分解してエネルギーを生み出すので、倦怠感や疲労感を回復する。

効果的な調理のポイント

  • ・ 空気に触れるとメラニン色素が発生して変色するので、切ったらすぐに水に放すとよい。アクも抜け、さらに表面のでんぷんが取れるため味も染み込みやすくなる。水に放す時間は5分ほどで、時間内に2~3回水をかえるとよい。
  • ・ ビタミンCは熱を加えても破壊されにくいので、加熱料理にも向いている。
  • ・ 皮の部分に栄養素が多いので、丸ごと加熱してから皮をむくと効果的。茹でる時は水から入れること。
  • ・ ゆでたじゃがいもを冷凍すると、中の水分が凍ってスポンジ状になってしまうので注意する。センイをつぶしておくと大丈夫なので、マッシュしてから冷凍するとよい。
  • ・ 芽にはソラニンという有害物質が含まれているので、取り除いて調理するとよい。保存時にりんご1個を入れるとりんごから出るエチレンガスの作用で芽が出にくくなる。ただし、収穫後2~3ヵ月は休眠期なので芽は出さない。

レシピ
01-03-06_01
肉じゃが
カリウムと食物センイが動物性たんぱく質の摂取に有効に働く
所要時間:20~25分
——————-
「おふくろの味」に代表されるお惣菜。その理由は単においしいだけでなく、非常に理にかなった点にあります。肉と根菜類を組み合わせる肉じゃがは、肉に含まれる脂肪やコレステロールを、根菜類の豊富な食物センイが絡め取り体外に排出してくれる理想の食べ方です。玉ねぎは加熱するとうまみが増します。

●材料(2人分)
じゃがいも(メークイン・大) 2個
玉ねぎ(小) 1個
にんじん 1/2本
豚小間切れ肉 100g
A 水 2カップ
  しょうゆ 大さじ2弱
  砂糖 大さじ1
  みりん 大さじ1

●作り方

① じゃがいもは皮をむき乱切りにし、水に放す。
② にんじんは皮をこそげ、食べやすい大きさの乱切りにする。
③ 玉ねぎは半分に切り、切り口を下にして2cm位の半月切りにする。
④ 鍋にAを入れて煮立て、肉と玉ねぎを入れてひと煮立ちさせる。
⑤ ④にじゃがいもとにんじんを加え、落としぶたをして弱火で煮る。じゃがいもがやわらかくなったらできあがり。

●基本のクッキング用語

「水に放す」
野菜が含んでいるアクは水に溶けやすいので、水の中に入れてアクを取り去るために行う「野菜のアク抜き」の方法。「さらす」ともいいます。ただし、長時間水に漬けていると風味や栄養分が流れ出てしまうので注意しましょう。