熟すると黄変することから黄瓜(きうり)ともいわれています。原産地はヒマラヤ山麓あたりといわれ、西アジアでは3000年前から栽培されていたと記されています。日本渡来は6世紀とか10世紀とかいわれていますが、栽培が普及したのは江戸末期。世界的に好まれている野菜で、イボのチクチクするものほど新鮮です。
成分
水分が約96%。カリウムやビタミンC、カロテンを含有。特有の香りと苦みがある。香りはキュウリアルコール、苦みはククルビタシン。青臭さの元はピラジンという成分。イソクエシトリンや酵素(アルコルビナーゼ)を含んでいる。
効能
カリウムが余分なナトリウムを排出し血圧の上昇を抑える。ピラジンには血液が固まるのを防ぐ働きがあり、脳梗塞や心筋梗塞の予防に有効で、苦み成分のククルビタシンには抗ガン作用がある。イソクエシトリンは高い利尿効果があり、むくみ取りに有効。96%を占める水分には特有の成分が含まれており、生で食べると体内の余分な熱を冷まして代謝機能を調整し、炎症を取り除く。
効果的な調理のポイント
- 苦み成分は頭部に多く含まれているので、切り取るとよい。苦み成分はアルカロイド系のアク。微量なので気にしなくてもよい。
- 加熱すると利尿効果が高まる。
- 酵素はビタミンCを破壊するので、他の野菜と一緒に調理する時は、酢を加えたり加熱したりして酵素活性を失わせるとよい。
- ぬか漬けにするとビタミンBが摂取できる。
レシピ
きゅうりと鶏ササミの甘酢和え
きゅうりのイソクエルシトリンがむくみを取り、苦み成分のククルビタシンが抗ガン予防に有効
所要時間:20分(干ししいたけを戻す時間は除く)
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きゅうりの水分は約96%。含有するイソクエルシトリンには高い利尿効果があり、むくみを取るのに有効です。苦み成分のククルビタシンには抗ガン作用があり、しいたけや青しそと一緒にガンを予防します。高たんぱくで低脂肪な鶏ささみは胃腸の弱った時に向く食材。酢の食欲増進作用で、体力がつきます。
●材料(2人分)
きゅうり 1本
鶏ささみ 1本
干ししいたけ 1枚
長ねぎ 5cm
青しそ 2枚
A しょうゆ 大さじ1と1/2
酢 大さじ1と1/2
砂糖 少々
しいたけの戻し汁 大さじ2
ごま油、塩 各適量
●作り方
① きゅうりは薄い小口切りにし、軽く塩を振り、しんなりしたら軽く絞る。
② 鶏ささみは酒少々振り(分量外)蒸す。冷めたら食べやすいように裂いておく。
③ 干ししいたけは水で戻し、軸を切り落とし細切りにする。
④ ねぎは5cm長さの細切りにする。
⑤ 鍋にごま油を入れて熱し、しいたけとねぎを炒め、Aを加えて炒め、香りが出たら火を止める。
⑥ ボウルにきゅうりと鶏ささみ、⑤を入れて混ぜ合わせる。
⑦ 器に盛り、千切りにした青しそを飾る。