皮膚と化粧品:健康美肌になる方法

内容

皮膚は排泄器官。内臓のような吸収器官ではないので、いくら栄養素や薬効を塗っても皮膚の中に入れることは出来ません。

生物は内側の食道から腸にかけての内皮と、皮膚という外皮にはさまれています。目で見る、鼻で匂いをかぐ、舌で味わうなど、安全を確認してから物を食べます。そして飲み込まれた物は胃腸で細かく分解され、体内に吸収されます。仮に間違って毒(異物)を飲んでしまっても、吐いたり下痢をしたりして体外に出されます。物体を体内に取り入れるためには、いくつもの安全チェック機能が働いています。

しかし、外皮である皮膚にはこのチェック機能がありません。そのかわりに、どんな物質も浸透させないバリアという機能を持っています。このバリアがあるからこそ、私たちは安心してお風呂に入り、海やプールで泳ぐことができるのです。健康であるほどこのバリアは丈夫です。

でも、巷で売られている化粧品は、「このクリームをつければ美白になる」「栄養成分で肌はしっとり、ぷるるん!」などの謳い文句が花盛り。まるで栄養分が皮膚から入り、美肌にしてくれるといわんばかりです。もしも、こんなに簡単に皮膚から水分や美白剤、薬効成分が入ってしまうようだったら、安心してお風呂に入ったり、海で泳ぐなんてできませんよね。

これらの化粧品のカラクリは、バリアを壊して皮膚の中に水や薬効成分を入れる方法です。壊れたバリアからは面白いように水分や美白剤、薬効成分が入っていきます。でも、入り口は出口でもあります。壊れた入り口から、体内の水分が出ていき、やがて皮膚は乾燥肌となり、シミをつくり深いシワの原因となっていくのです。

皮膚を守るのはバリア。バリアを壊さない化粧品が、健康な美肌をつくるのです。

アンチ・エイジングという化粧品

多くの女性がシワやシミに悩んでいます。そこに登場したのが「アンチ・エイジング化粧品」。この化粧品を使えば5日とか1週間で(中にはたった1日!なんてものもあります)、シワのある肌が「シワが消える」「ふっくらする」「ハリのある肌になる」と謳っています。

昔習ったことを思いでして見ましょう。どんなに新陳代謝の早い表皮でも、生まれ変わるのには1カ月はかかります。中高年なら2〜3カ月はかかります。それなのにどうして数日でみずみずしいツヤのある肌になるのでしょうか。

見せかけのカラクリはとっても簡単です。合成界面活性剤で皮膚のバリアを壊し、壊れたバリアから合成界面活性剤を含んだ水を皮内に入れるのです。これで皮膚は膨らみ、シワが伸びるという訳です。

でもこのままだと、水が蒸発するとすぐに元のシワシワな皮膚に戻ってしまいます。蒸発を防ぐために合成ポリマーが使われます。合成ポリマーは巨大分子なので、皮膚の中に入ることができず、一部の水を抱えたまま皮膚の表面に残り、徐々に水分が蒸発して生ゴムのような膜を形成します。この膜が皮内に入った水分の蒸発を防ぐのです。

つまり、合成ポリマーの皮膜で外側はツルツル、合成界面活性剤の水溶液で内側はパンパン。シワは一時的に消えるという仕掛けです。

これがアンチ・エイジング化粧品の中身です。使うのを止めたら空気の抜けた風船のようにシワシワの肌になる…。こうなったら一生この化粧品を手放すことができなくなります。皮膚のバリアは決して壊してはいけません。

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